運転たいと思ったこともないし、見惚れたこともない。ただうるさい乗り物だと思っていました。
それがこの一年くらい、流れてきた教習動画を見ているうちに、こんな過酷な挑戦をしている人がいるのかと目が離せなくなりました。
大人の女性が大きなバイクにまたがり、よちよち、おっとっとと転ぶ。あれーと思わぬ方向に乗り上げる。何度やっても失敗する。倒れたバイクを全身で引き起こす。教官の指導を真摯に受ける。
子どもの初めての自転車に似て非なるもの。相手は200㎏超の400cc中型バイク。
↓教師用バイクはまさにこれ
普通自動二輪教習車「CB400 SUPER FOUR(教習車仕様)」
私の中ではスクーターに乗っているイメージしかない4、50代の女性たちがあちこちで挑戦している。
大人になってからの挑戦ってすごいことだと思います。なかでもバイクは、プロテクターを胴と手足に着けてヘルメットをかぶり、だるまみたいな姿で地面にずっこけるのです。大人が地面に四つん這いになる絵なんてそうそう見るものではありません。そのたびに立ち上がり、バイクを起こし、息を整えまたまたがる。そして次第に乗れるようになり、緊張の検定試験に挑む…。
歳を重ねるほど「挑戦」や「達成」に感極まる様になりました。自分がマラソンで一度それを経験しているので、人の姿を見てもその時の感情がよみがえり涙してしまいます。
また何かに挑戦したい、そのために教習所に通いたいと強く思うようになりました。
しかしそう思ってからも、自動車の免許すら持たない私は、原付(スクーター)でいいのではないか、とりあえず「免許」というものが取れれば人生において大きな変化ではないかと考えが揺れていました。やはり自分がバイクにまたがる姿が想像できなかったからです。想像できないことをするのは無駄ではないかと。
ですが職場で話をすると、普通二輪の免許を取ったが公道では走ったことがない(教習所内でしか走ったことがない)という人がいることを知るのです。車ならまぁ聞く話ですが、バイクでもそのようなことがあるとは驚きでした。
それで決心がつきました。つべこべ言わず普通二輪の教習を受けよう。公道を走るかどうかは取ってから考えればいいこと。これこそお金を払って経験を買うのだ。まずはあの動画で見たのと同じ経験をしようと。
「次またそのうち」といっていたら、やりたくなってもできない年齢に近づいているのかもしれないと、少しまじめに考えました。体全身の感覚やバランスを使うバイクは特にそうです。
教習費用も年齢が上がるにつれ高くなります。これはお金の無い学生や若者をを優遇しているのとは意味が違います。
なので、いま教習所に通います。
私の人生に「教習所」というものが刻まれます。
2023年12月末、申込みに向かいました。