先日開催された、第98回アカデミー賞。
ユアン・マクレガーとニコール・キッドマンが、作品賞のプレゼンターとして登壇しました。
この二人といえば…
『ムーラン・ルージュ』!
この映画、25年前ですってー!?
そりゃ自分も中年になるわ。
ああいう催しって、プレゼンターにも台本ありますよね。結構好きです、有名俳優によって繰り広げられるコントいや寸劇。ちょっと力業で、映画のネタに持って行くところ。
ニコール「今年の映画、全部大好きだった」
I have to say I adored all of the films this year.
ユアン「大好き…愛してるってことかな?」
Adored..Would you say you love them?
ニコール 「(くすくす笑いながら)何?」
What?
ユアン「愛って、ほら、酸素みたいなもの!」
Love is like..oxygen!
『ムーラン・ルージュ』の音楽が好きな人ならユアンのLove推しでピンときたはず。
“All You Need is Love”
キターー!
映画の中で二人が歌う“Elephant Love Medley”のオープニングソングであります。
『ムーラン・ルージュ』のことはもっとたくさんブログに書いていた気になっていたけど"Your Song"メインのだけだったか~
私は、25年もサントラ聞いてるのか~
映画ではニコールが
Love is just a game(愛なんてゲーム)
というところを
アカデミー賞では、2人揃って
Love is all you need(愛こそすべて)
と歌い替えていたのも、とても良かったです。
さて、先日ミームがマイブーム的な話を書きましたが
本日のテーマは、もうひとつのマイブーム(?)「歌の中で物語が進むかどうか」です。
要するに、歌詞の作り方の違いについてだけど、音楽業界で何か固有の呼び名があるのかな?と思い、AIたちに聞いたら、こぞってそれはナラティブとリリックですぞと言う。
ナラティブ(物語的)
叙事詩(narrative poetry)の流れをくむ歌詞。
歌が始まってから終わるまで「時間軸」が進み、出来事や状況が順番に変わっていく。
Verse 1 → Verse 2 → Verse 3 で「主人公の気持ちが変わる」「事件が起きる」「結末に近づく」みたいな明確な進行がある。
リリック(抒情的)
抒情詩(lyric poetry)の流れをくむ歌詞。
一つの感情・情景・思いを「ループ」させて深く味わわせる。
物語の進行はほとんどなく、繰り返し(リフレイン・サビ)で同じ気持ちを強調する構造が主流。
リリックっていうのが、「愛してる」などの感情を何度も回すことでリスナーを引き寄せる歌詞の作り方ですね。これが最近の歌謡曲・J-POPの大多数であるようです。
『ムーラン・ルージュ』のようなミュージカルでは音楽が「進行役」を担うため、"Elephant Love medley"に見られるナラティブな構成(メドレーを歌いながら「二人の距離」が少し縮まっている)が自然ですが、近年の歌謡曲のほとんどは「話が進まない」。
なんで一曲の中で「物語が進むか進まないか」が気になり出したのかといいますと。
改めて『RAINY GIRL』を聞いていて、あれ?っと思ったんです。
↑でも書いてましたね。この歌は、約4分。Aメロによって描かれる情景も、おそらく4分くらいの出来事。つまり、ショートドラマのような構成になっています。
曲の中で、出会い→察し→寄り添い→傷心→別れの物語が完璧に完結する。
繰り返されるコーラス(You are weeping in the rain)が感情をループさせるので、ナラティブとリリックのハイブリッド型ですね。複数の少年たちが歌っているのに、しっかり「一人称・一人語り」に聞こえるのもすごいです。改めて、秀逸な曲だなと。
若いアイドルの多くは「自分ではない誰かが書いた歌」を歌うから、「語り部」になりやすいとはいえ、『RAINY GIRL』ほどリアルタイムで進行するナラティブ歌詞ってあまりないのではないでしょうか。光GENJIの他の曲も思い浮かべてみたけど、ストーリー性は多々あれど、曲の中で明らかに時間軸がわかるのって無い気がします。
ではでは。
かーくんの歌詞はどうかな?
かーくんは、ブログでは息をするようにナラティブ+リリックな書き方をする。音楽家であり、“噺家”でもあるからだよね。笑
歌詞となると断然リリック型が多い。現代の歌謡曲はリリック傾向が強いようだから、かーくんの歌詞の作り方だけが特別というわけじゃないけれど。でも、特に感情ループ感強めな方だと思う。
ご本人は太陽のように明るくカラッとしているのに、歌には纏わりつくような湿気がありますね。日本語でも英語でもグルグルしていて、基本的に話は全く進まぬ。グルグルした結果、歌い出しより落ち込んじゃって終わる場合もある。
少しだけ「物語が進む系」と思われるのは、『Spoon』かな?
この曲もループするリリックをベースにしているけど、かーくん独特の言葉遊びを追っていると、途中で予想外の展開に落ちます。
前半はエフェクトばりばりで内省的。グルグルと言うかグジグジの恋の戸惑いリリックなんですよ。「俺」と「僕」の使い分けも反則技だし(嬉)
でもブレイクしてエフェクトが溶けると、籠っていた音が一気にぱーっと開けて、”本音“がメロディアスに流れ出してくる。おいおい何があった。
ナラティブ型というには説明不足が過ぎる諸星氏なのですが、そこが好きなのです。
How wonderful life is now you're in the world♪




