こんにちは。MOMOです。
入院6日目で、入院生活も折り返しです。
今日は、五十肩に手術は必要なのか?
というテーマで書こうかと思います。
ターゲットは、五十肩が悪化して、
拘縮肩、凍結肩になってしまった方です。
過去の私が幾度となく検索し、
でも欲しかった答えがどこにもなかったし、
医者の考えもまちまちだったので
何度も五十肩を経験し、3回手術になった私
だからこそ書けることを書いてみます。
***
最初に五十肩になったのは、2015年秋。
47歳の時です。
左肩が痛みだし、上がらなくなりましたが
1年くらいで自然に治りました。
いわゆる「五十肩なんてほっておけば治る」
そのものでした。
だから、五十肩を甘く考えていましたね。
***
そして3年後の2018年夏。
50歳の時です。
右肩に違和感を感じ始め、
秋には激痛が続き、動かしにくくなり、
整形外科で肩関節周囲炎と診断されました。
その3年前にも、五十肩を経験しているので
長引くことはわかっていたし、そのうち自然に
治癒するだろうと安易に考えていました。
ところが、1年経ってもまったく可動域は広がらず、
どんどん肩は上げにくくなっていました。
病院で測ると、腕が真下にあるときを0度、
真上にある時を180度とすると、
42度しか上がりませんでした。
複数の病院や整体に行きましたが、
どこも「ここまで酷くなった五十肩は
見たことがない」と言われる始末。
日ごとに腕は上がりにくく、
ロックされている感覚になっていきます。
途方に暮れた私は、2019年の暮れに、大学病院の
肩関節専門外来を受診しました。
私の肩は、癒着性肩関節包炎(凍結肩)になっており、
「このまま待っていてもあなたの肩の可動域が
今よりも広がることはない」
と医師に言われたのです。
ショックですよね〜
当然、どうすればいいのか聞きました。
方法は2つ。
1つは、サイレント・マニュピレーション。
正式名称を「非観血的関節授動術」と言い、
固まってしまい可動域の狭くなった肩関節を、
麻酔をして手動で医師が広げる手術です。
局所麻酔だけなので、日帰りで行えます。
もう1つは、肩関節鏡視下関節授動術。
入院して、全身麻酔で、癒着した関節包を
切除するという手術です。
50歳の時の私は、1つ目の
サイレント・マニュピレーションを選択しました。
そして、2020年の2月に大学病院で
施術していただきました。
その時の様子をブログに詳細に載せています。
術後すぐは傷が痛みましたが、
数ヶ月で肩の可動域も回復し、
本当に感動しました。
***
時は経ち、4年後にまたそれは来ました。
2024年夏、56歳の時に
左肩に違和感を感じます。
最初は、「寝違えたかな」くらいの感覚が
日に日に「やばい、また五十肩かも」
という確信に変わり、数日後には
夜中に肩が痛くて眠れないほどに。
最初は、湿布を貼ったりしていましたが、
我慢できず、近所の整形外科を訪れます。
医師は、ヒアルロン酸とステロイドの注射を
肩に打つと楽になるというので、
恐ろしかったのですが、(私は注射嫌い)
肩に注射してもらいました。
すると確かに痛みが少し楽になるので
それからは毎週、肩に注射を打つ日々に。
肩が痛くて眠れない日には、
痛み止めの飲み薬も併用していました。
2024年秋冬が、五十肩でいちばん
痛くて辛い時期でした。
そして可動域も、45度くらいになってしまい、
また手術を受けるしかないか、と
この頃から考え始めます。
近所の整形外科に、大学病院あてに
紹介状を書いてもらおうと相談しました。
すると、その整形外科でも
サイレント・マニュピレーションができる、
と医師は言うのです。
今考えると、前と同じ大学病院で
受けるべきだったのに、近所の方が
通院が楽だと思った私は、
そこでサイレント・マニュピレーションを
受けることを決めてしまいます。
(これはのちのち大きな後悔を生むのですが・・・)
***
2025年2月14日に、近所の整形外科で
サイレント・マニュピレーションを
受ける予約をしていましたが、
その週に私がコロナになってしまいました。
当然、手術は延期になり、
2週間後の2月28日に
手術をすることになりました。
サイレント・マニュピレーションも2回目なので
私も多少は勝手がわかります。
ですが、どうも前回とは様子が違いました。
まず神経ブロックの麻酔が90分経っても
全く効かないのです。
(前回は、15分ほどで麻酔が効いて
腕の感覚がなくなりました)
それを医師に告げると、90分後に
再度、同量の麻酔を打ちました。
20cc+20ccで、合計40ccです。
前回の大学病院では15ccの麻酔1回だったので
この時点で「あれ?」と感じました。
いよいよサイレント・マニュピレーションです。
医師が、私の肩を動かし、
前後左右に広げて、癒着した関節包を
はがす(というか破く、ちぎる)施術です。
ここは、本来すごい音がするんです。
繊維が引きちぎれるバリバリッという音が
するはずなのに、全然音が聞こえてきません。
前回は15分くらい、前後左右に腕を動かし、
十分に可動域ができたことを確認して
手術が終わったのに、
なんと今回は1分ほどで施術が終わりました。
私はあわてて、医師に
「これで本当に関節包が剥がれたんですか?」
と聞きました。
医師は「はい、大丈夫です」
と言います。
私は医師の言葉を信じ、少し休んでから帰宅しました。
数日経っても、いや数週間経っても
数ヶ月経っても、
可動域は1ミリも広がっていませんでした。
近所の整形外科で行った
サイレント・マニュピレーションは失敗したのです。
サイレント・マニュピレーションは、非観血で
中の様子を見ながらの手術ではないため、
癒着が剥がれたかどうかは、
医師の経験値や腕で判断するしかないのです。
その医師は、サイレント・マニュピレーションの
経験は少なかったようなのです。
私は不安になり、複数の医師に相談ができる
「アスクドクター」というサイトで
相談を書き込みました。
それがこちらです。
サイレント・マニュピレーションは
日帰りでできる手術ではありますが、
繊細な手術なので、医師の経験値や腕を
しっかり調べて行った方が良いですね。
***
2月に手術を受けて、5月になっても
可動域は広がらなかったので、
大学病院への紹介状をもらって、1回目の手術を
してくれた医師の元を訪ねました。
医師は、私の腕を動かし、癒着を確認しながら
「んー、サイレント・マニュピレーションが
うまくいかなかったみたいですねー」
「再度、サイレント・マニュピレーションを
してもいいけど、全身麻酔で肩関節鏡の手術を
する方が、中の様子がわかるから
今回はそちらをおすすめします」
と言いました。
信頼している医師なので、
私は、全身麻酔での手術を決めました。
「ただし、今回は術後のリハビリが大事で、
できれば入院中に可動域を広げる
リハビリをしっかりしてもらいたい。
大学病院は、短期の入院しかできないので
長期入院ができる総合病院で手術をしましょう。
僕がそこで執刀もするので」
ということで、大学病院ではない病院で
手術&入院となりました。
(執刀医は、5年前と同じ医師)
***
そもそも、なぜ五十肩が悪化するのでしょうか?
諸説ありますが、ひとつに
血液中の糖度が高い=血糖値が高いと
五十肩が悪化しやすいようです。
2017年の海外の論文では、
血糖コントロールの指標の1つである
累積ヘモグロビンA1cという指標が高いと、
凍結肩が重症化する傾向が強まると報告されています。
逆に糖尿病の診断がついていない、
重症凍結肩の患者さんが
手術前の採血検査をすると、
糖尿病が見つかるというケースもあるそうです。
私は、数年前から健康診断で
血糖値が高いと出ており、
食事を気をつけているところでした。
なので、血糖値と凍結肩には
なんらかの関連があると思っています。
また、凍結肩と関連があるのが
甲状腺の病気と言われています。
やはり海外の論文で、甲状腺機能低下症の
重症度が高まると、凍結肩が重症化しやすく、
また、両肩とも凍結肩になってしまう
リスクが増す、と報告されています。
実は、私はこちらにも該当するのです。
今年の健康診断で、甲状腺機能異常の疑いがあり、
精密検査を受けていました。
すぐに手術や投薬の必要はありませんが、
要経過観察ということで、甲状腺専門医で
甲状腺をエコーで観察中なのです。
(首のところに視認できる膨らみもあり)
ということで、私は凍結肩が重症化しやすい
2つの要因を持つために、このように
五十肩が自然治癒せず、関節包がぶ厚くなり、
癒着して可動域が著しく狭くなっていったようです。
(執刀した先生によると、私の関節包も
充血していて、硬く肥大していたので
可動域が広がるように切り込みを入れたとのことです)
***
五十肩に手術は必要か?
最初のサイレント・マニュピレーションの時に
医師に言われたように、凍結肩になってしまうと
そのまま自然に可動域が広がることはなくなります。
癒着性肩関節包炎(凍結肩)までいってしまうと、
注射や服薬では、肩の可動域は増えないのです。
肩の関節は、人体で最も可動域が広いのですが、
柔らかさと強靱さの両方が求められます。
それが何らかの原因で(体質・外傷など)
肩関節包が炎症を起こして、
癒着したりぶ厚くなった結果、
動く範囲が異常に狭くなってしまうのが凍結肩。
ここまで行ってしまったら、手術で
(非観血あるいは観血で)
可動域を広げる以外の手段がなくなります。
近所の整形外科の医師が冗談まじりに
「鉄棒にぶら下がって、強制的に
癒着を剥がせば、手術しなくてもいいけどねー」
と言っていましたが、これは相当痛いですよね。
ある意味、セルフ・サイレント・マニュピレーション
ですが、昔はこうやって重症の凍結肩を
治すこともしたようです。
麻酔をかけてやってもかなり痛いですから、
麻酔なしでは無理だと思いますが・・・💦
***
結論
普通の五十肩=肩関節周囲炎
は、時間の経過とともに自然治癒するので
痛ければ湿布や薬、注射などでやりすごす。
重症化した凍結肩=癒着性肩関節包炎
になってしまったら、手術を検討する。
その際は、病院や医師をしっかり検討する。
肩関節専門外来のある大学病院などが
やはりおすすめです。
最近は、クリニックや接骨院などでも
サイレント・マニュピレーションをするところも
あるようですが、私は自分の経験から
おすすめしません。
自分はどっちだろう?と思ったら、
まずは痛くなってからの期間に注目。
1年以内なら様子見で良いかもしれません。
次に可動域に注目。
なんとか腕が90度以上(水平に)上がるなら
自然治癒の可能性もありますが、
私のように40度くらいしか上がらない場合、
関節包が癒着してロックされているので
放っておいても可動域は増えません。
その場合は、大学病院などで相談してみてください。
その際に、メモなどで用意してほしいのが
・いつから肩に違和感を感じたか
・今までに行った処置(湿布、薬、注射など)
・可動域(おそらくその場でも計測されます)
・痛みの頻度や痛みの度合い
など。忙しい大学病院の診察で、
あとで言い忘れた、とか
その場で思い出せない、ということが
ないように準備しておくと良いと思います。
最後に。
五十肩は、40〜50代の働き盛りに多い
ポピュラーな疾患です。
軽いものから重いものまであって、
自分では判断しかねることも多いと思います。
忙しくてつい痛いのを我慢してしまったり、
自己流に処置することもあるでしょう。
(私も痛い時は、ドラッグストアの痛み止めや
痛み止め湿布のお世話になりました)
でも私のように、血糖値が高い、
甲状腺になんらかの異常がある方は
重症化しやすいという統計もあるので、
総合的に見てくれる医師に
早めに相談するのをおすすめします。
私も何度もMRIやレントゲンを撮ったり、
血液検査やエコー検査をしました。
複数の医師の見立ても聞きました。
やみくもに整形外科のリハビリに通っても
重症化した凍結肩は改善しませんので
早く、信頼できる医師と出会って
適切な手術を受けてください。
ということで、最後に私の入院中の姿を(笑)
入院生活6日目。
手術翌日からリハビリが始まっています。
本日の作業療法士さんが張り切りすぎて
かなり肩関節が痛むため、看護師さんに言って
まだ首にはブロック麻酔の針が入っており、
持続麻酔が24時間、
神経が敏感にならないよう流れています。
このおかげで、術後でもすぐに
リハビリが行えるので、それが入院の良いところですね。
入院生活は予定では12日間。
折り返しまで来ました。
残り6日間もリハビリを頑張りたいと思います。
長文をお読みいただき、ありがとうございました。
あなたの肩も私の肩も、
快適に動けるようになることを願っております🌱