こんにちは!

50代の女性の生き方を発信している
山口朋子です
 
去年の8月に見た、
演劇ユニット「言葉の動物」のお芝居が素晴らしくて、
本日、最新作を観てきました!
 
最新作は、「鍵のない檻(おり)」。

 
舞台は、小さな神社

そこに人々がお願い事をしに来ます。

「母が長生きしますように」
 
「元彼と復縁したい」
 
「悪人に天罰を与えて」
 
など、みんな勝手なことを言います。

それを見ていた神様がどうしたかというと・・・
 
「全部、願いを叶えてやる!
それがどういう結末になるか見るがいい」
 
ストーリーには触れませんが、
どれも共感できるものばかりですし、
「ああ、やっぱりそうなっちゃうのね」
という結末です。

つまりは、バッドエンド。
 
願いが叶ったのに、バッドエンド?

そうなんです。
 
人間は、自分の思い込みや信じているものから
抜け出せない。
 
まるで鍵のかかっていない檻から
自分は抜け出せないと信じているかのように。
 
今の状況に満足していないから
「あれがない」「これがほしい」「ああなれば」
とお願い事をするのですが、
そもそも、今ある現状に感謝できない人が
天から降ってきたラッキーを使いこなせるものでしょうか。
 
***
 
この舞台の醍醐味は、
作・演出の西口千草さんの天才的な脚本です。
 
1つのストーリーは30分ほどですが、
どれも共感・納得でき、気づきがあり、
感動もあり、1つの長編映画を観ているよう。
 
神様のセリフも「ああ、そうか・・・」
と胸が痛くなるものも多く、
 
本当に西口千草さんが神様のように見えてきます。
(ちなみに西口さんは神様役ではありません)
 
あまりに脚本が秀逸だったので
劇場で販売していた脚本を
購入してしまいました。

またじっくり舞台の余韻を思い出しながら
読みたいと思います。
 
(右が、脚本を書いた西口千草さん)

今回のセットは、「鍵のない檻」をモチーフに
赤い枠組みがメインです。
 


そこに白い箱がいくつか置かれ、
ある時は賽銭箱に、居酒屋のテーブルに、ベッドに、
と役割が変わっていきます。

シンプルなセットですが、
そこが本当に神社や居酒屋や病院に見えるから不思議。



カーテンコールは撮影OK。
今回も、客席からステージが近く、
迫力のあるお芝居を堪能できました。



西口さんは、もともと吉本芸人出身なので
お話もとても面白いです。

今回は、夫と一緒に見たのですが、
夫も「脚本が面白い!」と大絶賛でした。

今回のお芝居は、人間の「ないものねだり」
「自己肯定感の低さ」「自分勝手」
「自己卑下」「思い込み」などにスポットを
当てています。

自分の人生と照らし合わせてみると
実に面白いと思います。

というのも、私は22年前に産後うつになっています。

もし、私が22年前に「産後うつを治してほしい」
と神様にお願いして、あっという間に
うつが治って元気になっていたら・・・。

今の私はないわけです。

1年ほど苦しみ、記憶の大半が消え、
生きる気力もなかったあの辛い時期があったからこそ
「子育て中のママのためにできることをしよう」
と会社を立ち上げたわけです。

目の前の苦しいことを受け入れた結果、
得たものが確実にあったのです。

失ったもの、得たもの、手に入らなかったもの・・・

それらを自分に置き換えて考えてみると
自分の転機が見えてきます。
 
3億円の宝くじに当たって、
あっという間に使い切って不幸になる人がいたり、
 
病気や借金や離婚を乗り越えて
大成功する人がいたり、

何が自分にとって幸せの鍵になるのかは
神様の視点じゃないとわからないのかもしれません。

お芝居の中では、3人ともが願いが叶って
不幸になりますが、
「願いが叶わなかった未来」も神様は
見せてくれます。
 
母が長生きしたことで、家族全員が不幸になる結末と、
母は亡くなるけど、その後の人生が幸せになる結末。

もちろん人間には、未来は見えないですが、
でも、神頼みしなくても、
今手にしているものへの感謝は誰にでもできる。

そもそも人間は、神様の分身なのだから
できないことはないし、全ては最善のために起きている。

自分の人生を信頼する人のところに
幸せはやってくるのかもしれません。

舞台を見ながら、涙ぐみ、自分の人生のことを
深く考えた2時間でした。

とても良い時間でした。
 
「言葉の動物」の皆様の素晴らしい演技、
世界観に浸れる脚本、
役者さんたちのエネルギーをすぐ近くで感じられる劇場。

今回のお芝居は、5/28(日)までやっています。

ぜひお時間のある方は、劇場まで
足を運んでみてください。

自分の人生の振り返りと、
今後どうしていけばいいのかの光が見えてくると思います。
 
お時間がない方は、配信を見ることもできます。

詳細はこちらをご覧ください。

 

 

今回もお声をかけてくださった廣瀬東洋さん、
ありがとうございました。



いつもSNSでコメントをくださる柏木志津子さんも
ありがとうございました。
(柏木さんの演技も大好きなので、配信で拝見しますね)

西口千草さん、あなたはやっぱり天才ですね。
あなたの発想力と才能に嫉妬しています。



5/28までにもう1度観に行けたら行きますね。

行けなくても配信でまたじっくり拝見したいと思います。

残りの舞台も皆様、がんばってください。


年間、たくさんの舞台を観に行く私からも
この舞台のレベルは本物です!と太鼓判を押します。

言葉の動物」、ぜひチェックしてみてくださいね