こんにちは!

アラフォーからのライフスタイルを
提案する 山口朋子です
 

1つ前の記事で、
偶然に出会うライブの素晴らしさ
について書きましたが、

昨夜は、まさにそんな出会いがありました。

私の本の読者さんに役者さんがいて、
本の感想をメールで送ってくれました。

芸の肥やしにしようと異業種の本を読んでいて
私の本を見つけて、とてもよかったと。


その方が関わっているお芝居に
よかったら来ませんか、と誘われたのです。

 

全く知らない劇団ですし、
その役者さんにすら会ったことはありません。

でも、なぜかピンと来たのです。
見てみたいと。

それで昨夜、そのお芝居に行ってきました。

「言葉の動物」という劇団ユニットの
「三伽噺(みつとぎばなし)」というお芝居です。

富士見台という初めて降りる駅で
商店街を抜けたビルの地下にある小さな劇場。

 

面白いのが、ステージ正面に客席がありますが、
ステージ横にサイドシートも10席ほどあるのです。

役者さんが演じている真横から
見ることができる臨場感あふれる席です。

そのサイドシートに座りました。

今回は、1時間50分の演目の中に、
3つの短い劇が入っているオムニバス形式。

宝石赤1話目「DONAR(ドナー)」は、
天才外科医が主人公。
亡くなった娘の脳を、
女性死刑囚の身体を奪ってきて、
その脳に移し替えるというブラックな話。
死刑囚の老婆(中身は娘)の口から、
「パパ、次は海の見えるおうちに住みたいな」
と言われて、主人公がとった行動とはーーー

愛する我が子と死に別れる辛さ。
もし、それを止める術(すべ)を持っているなら
人はそれを乗り越えるのだろうか?
もし自分だったら?
自分の「死生観」を問われる問題作です。
でも、親なら主人公の外科医のような行動を
とってしまうのかもしれません。
それがたとえ道徳や法律に背いていたとしても。
そのくらい愛する人がいることが
幸せなのか、それとも不幸なのか。

女性死刑囚役を演じた西口千草さんが、

この劇団の主宰者で、今回の全ての脚本も
彼女が書いています。

おそるべき才能。
言葉の紡ぎ方も、話の内容も、
彼女の迫真の演技も。

今まさに死刑にされるという時の
彼女の目の奥にひそんだ狂気に
私の背すじは冷たくなりました。

70歳くらいの老婆を演じていて、
てっきりおばあさんかと思っていたら、
実年齢は私よりも若くて、そこにまたびっくり。

終演後に写真を撮っていただきました。




西口千草さん、彼女は間違いなく天才だと思う。

彼女の書いた本も購入してきました。

 

 

彼女の物事を観察する目、それを表現する時の角度。

人の心理を読む深さ。
そこにどこか愛と救いもあって、
見終わった後のスッキリ感もある。

今回の公演は、もう明日までなのですが、
配信チケットはまだ買えるので、
気になる方は、チェックしてみてください。

ツイキャスによるライブ配信チケット購入

 

購入後14日間、見られるようです。
私も配信でもう1回見たいなと思っています。
(追記 配信を購入し、再度見ました)
 

宝石紫2話目の「カヨちゃんの子守り唄」は、
認知症の母親を持つ息子の話。
昔は、学校の先生をしていたほど聡明な母親が
認知症になってしまい、徘徊したり、
食事を食べたかも忘れ、世話している妻とも
険悪になっていくーーー

現代では非常に多くの方が、親の痴呆や介護の
問題に直面していると思います。
私も両親はまだ健在ですが、もう80代なので
他人事には思えませんでした。

介護施設に入れることを決め、
面会に訪れると、施設の人が、母親に
幼児に話しかけるような話し方をしている。
それで、母の昔のことを思い出し、
母親の尊厳を守ろうとする息子。

認知症が回復することは難しいのかもしれない。
でも、昔の記憶を持っている老人は多い。
だったら、幸せな時代の記憶にひたってほしい、
その人の幸せな時間にもどれたら、いいのに。

脚本を書いた西口さんは私と同年代(彼女が3つ下)
だからこそ、彼女の伝えたい思いを
私はしっかり受け止めました。

回顧録と現代の話が交互に出てくる流れも
秀逸で、母親の若い頃を演じた中学生の役者さん。
とても上手でびっくりしました。


宝石ブルー3話目の「エターナルライフ」
余命半年と言われた男性が、
自分の余命と引き換えに、脳を移植し、
自分そっくりのアンドロイドを製作してもらい、
自分の死後の妻の幸せを願うーーー

近未来にはこんな話が本当にありそうです。
不気味でもあり、幸せな面もあり。
賛否両論巻き起こりそうなテーマです。

先日見た「PLAN75」という映画にも通じます。
老後の選択。一人で暮らすのか。
死を選ぶのか。残された家族はどうするのか。

自分で死を選ぶとしたら、その時は
どういう思いなのか。
残された家族はそれをどう受け入れるのか。

架空の話なのだけど、これも

死にまつわるいろいろなことを、
私たちに考えさせてくれる良いテーマです。

主人公の男性は、余命を渡して
アンドロイドになりますが、
あまりに精巧なので、妻は気づきませんでした。
体温もあり、食事や排泄もするし、
脳は夫のものなのでちゃんと記憶もある。

でも、彼女がおかしいと気づいた瞬間がありました。
人間が持っていて、アンドロイドにないもの、
それが、限られた命だったのです。

限られた命があるからこそ、人は
今を生きることができる。
命の大切さは、実は限りがあることで
くっきりと浮き出てくる。
永遠に命があるなら、
きっと粗末に扱ってしまうだろう。
死が私たちの「生」を素晴らしいものに
してくれているのだなあ。


お気づきの通り、3話に共通しているテーマが、
老いや死、生きること、家族、愛。

どの話も、本当に素晴らしくて、
この劇団はまだできて10年、しかも
ここ2年はコロナで上演できなかったそうなので
今後が楽しみだと思いました。

カーテンコールは撮影OKでした。

サイドシートからなので
めっちゃ近いし、横からですが、
カーテンコールでの役者の皆さん。





最前列で緑の洋服を着ているのが西口千草さん

演劇ユニットなので、今回の公演だけに
借り出された役者さんも多く、
それぞれの次の作品の告知などもありました。



どれだけ客席に近いかわかりますよね。

サイドシートなんて、役者さんが倒れて
その帽子が足元に転がってきたりしてました(笑)

この熱気を数メートルで感じることができる
生のお芝居って、やっぱりすごいと思うのです。


セミナーも、オンラインで聞くよりも
会場で聞いた方が、五感で受け取れますよね。

舞台もまったく同じです。
役者さんが作り出す風や香り、エネルギー、
空気感、そういったものは、その場にいないと
感じられないのです。

そういうものをしっかり受け取って、
私は、自分の次の創作物にもいかそうと
いつもパワーをもらえるのです。

今月は、ミュージカルですが、
「スラムドッグ・ミリオネア」と
「ロボット・イン・ザ・ガーデン」も
観に行きます。

「スラムドッグ・ミリオネア」は前から3列目の席
なので、俳優さんの汗も見える距離です。

できるだけ前の方で見たいと思ったら、
小さな劇団のチケットを取るのも超おすすめ。



今回、チケットを手配してくれたのが、
いちばん右端の広瀬東洋さん。
彼は、普段は予備校の先生だそうです。

終演後にこうして直接、感想を伝えることも
できて、Twitterでつながった役者さんもいます。

インプットするだけじゃなく、
感動したらアウトプットも一緒にするといいですね。

(このブログはそのために書いています)

もし、
ツイキャスによるライブ配信チケット購入
される方がいらしたら、ぜひメッセージ欄に
「広瀬東洋さんの知り合いの山口のブログを見た」
と書いてくださいね。

広瀬さんに還元されるそうです。
役者さんたちが今後も素晴らしい舞台を続けられるように
私も支援をしていきたいなと思っています。

彼らのツイッターもぜひ見てみてくださいね。

西口千草さん、広瀬東洋さん、工藤秀昭さん、
ご縁をつないでくれたジェームズ下山さん、
出演された役者の皆様、
素晴らしい時間をありがとうございました。

「言葉の動物」さんの次回作も
ぜひ観に行きたいと思っています。

これからも頑張ってください。
応援しています。


「言葉の動物」公式サイト