人材採用面接の「不都合な真実」VoL.1 面接の練習台
アル・ゴア元アメリカ副大統領が
主演したドキュメンタリー映画に
ちなんだタイトルを
つけさせてもらいました。
深刻な環境問題が存在することに目を
向けないのと同じように、
人材採用面接にも、あまり目を
向けられない
深刻な問題が潜んでいます。
シリーズ化していきたいと思います。
第一回は、
あなたの会社の人材採用面接が
候補者にとってみれば
面接の練習台にすぎない
かもしれないということです。
いくらあなたがその候補者を気に入って
内定を出したとしても、入社に至ることは
まずないでしょう。
なぜなら、候補者にとってみれば
あなたの会社はスパーリング
パートナーのようなもので、
来るべき本命とのタイトルマッチに
むけた肩慣らし。
多くの候補者は転職経験も少なく、
採用面接を受けた経験がそもそも
あまりない人も多い。
ぶっつけ本番では不安なので、
とりあえず本命ではない会社の
採用面接を受けてみようと考え、
あなたの会社の面接を受け来た
のだとしたら?
入社する気が最初からない候補者を
面接することは、時間もコストも
無駄です。
そうならないようにするにはどうしたら?
応募には高いハードルを設けて、本当に
入社したい人が面接に来るようにする
仕組みづくりをすることです。
志望動機を1000字以上で書いてもらう。
3人以上からの推薦状を用意してもらう。
・・・など、方法はあります。
そんなことしたら応募が集まらない?
いいじゃないですか。
入社に至る可能性のない面接をして、
時間とお金が無駄になることに比べれば。
スパーリングパートナーにしか過ぎない
相手と世界タイトルマッチを戦おうとする
チャンピオンはいません。
自分に挑むに足る実力を持った相手が
現れるまで試合はしないことも、
チャンピオンには必要なスキルです。
本気の相手とガチの勝負をするからこそ
タイトルマッチです。
面接を常にタイトルマッチにしましょう。
採用面接は人間ドッグだ
採用面接では、候補者が仕事の上で
味わってきた喜びも悲しみも、
過去も未来も
すべて尋ねなければなりません。
仕事の能力を調べるために
必要だからです。
しかも、
健康診断レベルではなく
人間ドックレベルで
くまなく調べる
必要があります。
そうしないと超Aクラスの優秀な人材か
どうか判断できません。
しかし、経歴や退職理由、志望動機を
一通りなぞっているだけに終わっている
「健康診断レベル」の面接が多いのが
実情です。
それでも現在の「仕事の健康状態」
くらいはわかりますので、入社しても
問題は起こらないでしょう。
Aクラス以下の無難な人材は雇えます。
しかし、あなたの会社に利益をもたらす
超Aクラス人材が欲しいのなら
あなたの右腕、あなたの代わりをつとめる
ことができる超Aクラスの人材が
欲しいなら、
「人間ドックレベル」の面接が必要です。
くまなく調べましょう。
面接は長く、候補者にとっては答えるのに
苦労する質問が多い面接に
なるでしょう。
健康診断はものの1時間で終わりますが、
人間ドックは1日かかります。
そのくらいして初めて、深刻な健康上の
問題が発見できるのです。
貴重な超Aクラスの人材かどうかを
見極めるのにも時間がかかります。
お互いに覚悟して臨みたいものです。
採用面接のドレスコード
一流レストランの中には、ドレスコードが
存在しているお店があります。
ジャケット着用が義務付けられていたり、
革靴を履いていないといけなかったり、
過度な露出はNGだったり。
どんな基準であろうと、お客のほうが
ドレスコードに従わないのなら、
入店することさえできません。
では、ドレスコードはなんのために
存在するのでしょうか?
それは、
お店のレベルを維持するため
です。
お店に提供するサービスに見合う、
「ふさわしいお客様」をレストラン側が
しっかりと定義していて、その結果が
ドレスコードとして表れている。
従わない人はお客様ではない
わけですね。
だからいくら
「二度と来るかよこんな店!」と
悪態をつかれようと、なんともない。
しっかりとした方針をもって、
お客様を選んでいるからです。
あなたの会社の採用面接にも、
ドレスコードを設けてみては
どうでしょうか?
レストランのように身なりや服装を
指定するのではないですよ、
念のため。
あなたの会社の価値を守るために
どんな人材が必要なのか?
候補者は基準を満たしているか?
「二度と受けるかこんな会社!」
と言われようと、ふさわしくない
候補者なら早々にお引き取り
願っていいはずです。
採用基準というドレスコードを
しっかりと定義して、守りましょう。
その「問い」本当に必要ですか?
採用面接は「問い」を発しないと
進みません。
しかし、問いを発しさえ、
質問しさえすれば
良いわけではありません。
良い質問をすることが面接をスムーズに
進めます。
面接官側から質問することが多いですが、
その質問、問いではなく単なる
「確認」や「尋問」、果ては
「興味本位のゲスの勘繰り」
になっていませんか?
レジュメを読めばわかることをきく。
これは「確認」であって質問では
ありません。
候補者のレジュメを読み込まずに面接に
臨んでいることが、候補者にバレバレ
です。
馬鹿にされてますよ。
自分の期待する答えがきけないと
何度も同じ趣旨の質問をしたり、
それでも違う答えが返ってきたら
あからさまに不機嫌な顔をする。
これは「尋問」です。
悪徳刑事が犯人と決めつけ、
無理やり自白を迫るのと同じです。
あなたの考えだけが正しいのでは
ありません。あなたが接しやすいだけ
の人を採用するのが目的ですか?
多様な考えを認めることができない
のですか?
レジュメの弱い部分ばかりを突いて
そこをばかりをきく。
長い人生、いい時も悪い時もあります。
人の不幸は蜜の味とばかり、マイナスの
部分ばかりをクローズアップしよう
とする。
退職理由や目標を達成できなかった理由
などを事細かにきき、したり顔で
「そうは言っても、結局あなたに問題が
あったんでしょ」といわんばかり。
これをゲスの勘繰りと言わずしてなんと
言いましょうか。
質問とは、候補者の考え方、行動原理、
仕事に対する姿勢を確認するために
する「問い」のことです。
言葉としては厳しいものであったとしても
そのような意図がある問いは
「質問」です。
いくら言葉が優しくても、
何の意図もない
問いは質問ではありません。
質問をするのは、案外と難しいものです。
面接力は正しい質問ができる力があるか
どうかにかかっています。