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京都雲龍院 寺庭婦人のブログ

京都東山泉涌寺別院 雲龍院でのちょっとした出来事を皆さんに大公開!

「寺庭婦人」である私がblogを始めました。「寺庭婦人」とは「じていふじん」と読みお寺の奥さんの事です。私なりに雲龍院を徒然なるまま ご紹介いたします。



「京の冬の旅」も中盤となりました。コロナウイルスで大騒動となり 話題に欠かない毎日ですが、雲龍院には淡々と 粛々と 仏様の ゆったりとした時間が流れております。
暖冬でいつもより早く梅が開花して 馥郁たる香りが境内に満ちておりましたが、とうとう河津桜まで咲き始め…。昨日の急な冷え込みで 薄っすらと雪が積もり、文字通り[ 出番を間違えて 凍りつく ] 様子に思えて苦笑してしまいました。
これから 又 暖かい気温が続くそうで、寒暖差で体調を崩される方が増えないかと心配ではあります。






今日は立春。いつもならば「暦の上では春なのに…」と縮こまりながら呟いておりますのに、今年は暖冬で梅は満開。芳しい香りに境内が包まれております。 昨日は節分でしたので、京都中の鬼が一掃されて 尚のこと清々しい状態なのではないでしょうか?
泉涌寺でも [ 星供 ] の法要が海会堂で行われました。
古来より天体の動きは人の営みと密接に関連すると考えられてまいりました。これは  [ 宿曜道 ] と言って 平安時代に空海をはじめとする留学僧らにより密教の一分野として日本にもたらされたそうです。
人の運勢は持って生まれた星 と 年ごとに変わる星との巡り合わせによって好調な時と停滞する年が生じます。星廻りの悪い年は悪事災難から免れられるように、星廻りの良い年には追い風に上手く乗れるように… 一年の始まりの節目である節分に祈念するのが「星供」の習わしです。現在では真言宗の寺院で「星まつり」が行われておりますが、昔は宮中でも行事とされていたようです。
[京の冬の旅] で今 公開しているのが星供で使われる [ 九曜星 ] の仏様方。泉涌寺の法要では 「星供曼陀羅」のお軸が掛けられるそうで、「仏様の画が描かれている曼陀羅なの?」と住職に尋ねてみると 「薄暗い中だから よく分からないなぁ… 密儀だからね。」と 何やら はぐらかした返答。お星様仏を公開するのは そうそう有る事ではないのかもしれません。
日曜星・月曜星・火曜星・水曜星・木曜星・金曜星・土曜星・羅ごう星・計都星 の 今年はどの星に当たるのか…。生まれ年の表も展示してありますので併せてご確認下さい。
先日 インド・チベット密教研究をされている 北村先生の勉強会の際に「星まつり の法要はインドでもされているのですか?」と質問した所「宿曜道のルーツの地はインドなのですよ!」と仰られ、[インドの九曜星護府] を下さいました。インドでは出産や結婚、新築など 人生の折々に その時の九曜星を祀り 護摩を焚き 、安泰を祈るのだそうです。
こちらも 参考展示させて頂きましたのでご覧下さい。とても美しい護府です。







今回の冬の旅では [悟りの間] にもスカイガイドさんが入って下さるという事で かなり特別感がありますが、これは 後小松天皇様のご肖像画軸が公開されるからです。
後小松天皇様は室町時代 南北に分かれた皇室が統一された時の天皇です。第100代に当られる天皇さまで とんちで有名な一休さんのお父さまと言われており、「アニメの一休さんと御似ましかも」と まじまじ見てしまう不届き者の私…。テレビで一休宗純さま紹介の番組がある時などには こちらのお軸画像をお貸しする事がありますが 今回は 生 で拝することができますので 是非とも お目もじを賜って下さいませ。
[悟りの間] は高貴な方がお使いになる特別室で、昔は拝観が出来ない書院でした。ところが、悟りの窓が JR東海やネスカフェのコマーシャルに使われた事で有名になってしまい 公開することになり… お人の出入りが多くなると畳や建具が傷んでくるのは 致しかたないこと…。天皇様に御鎮座戴くこの機会に 思い切って襖の張り替えもして すっきりした雰囲気となりました。
リニューアルと言えば 悟りの窓の下にある地袋の襖絵も美しく表装して頂きました。文化財の価値を下げないようにと、(株)修美さんと住職が裂地の柄も拘って慎重に選んだようです。
こちらの絵は 藤島清漣(ふじしま せいれん) の「花鳥図」で、四面に桜を中心に花鳥が描かれております。悟りの窓からの景色は春が特に麗しく、[地袋の画と併せ観ると素晴らしいものが並ぶ例えである「梅と桜のあだくらべ」の表現を想起させる] と泉涌寺の西谷学芸員さんが仰られておりました。
暖冬のお陰で 今 正に紅梅が花を咲かせ始めており、悟りの間は春爛漫となっております。
奥の床の間には なにげに[釈迦三尊像] のお軸が掛かっておりますが、こちらも江戸時代の立派な物で 木村徳応の画。
岩上の蓮華に坐した釈迦如来を中心に白象に乗る普賢菩薩、獅子に乗る文殊菩薩が描かれております。木村徳応さんは江戸時代前期の京都仏絵師で仏画だけではなく沢庵和尚さまや隠元和尚さまなどの高僧の肖像も多く手掛けられた方なのだそうです。
さて こちらのお釈迦さま、頭に腫れ上がったコブが出来ていらっしゃることが とても気になっていた私…。「お釈迦さまともあろう方が、どこで頭をぶつけちゃったの?」と心配申し上げておりましたが、これは 肉髻( にっけい ) と言って 悟りに達した証 で、如来のみが有するのだそうです。
悟りの間 で もし頭が盛り上がってきたら… いよいよ あなたも悟りを開く時が来たのかもしれません!
お庭を囲む書院も 冬の旅に合わせて少し設えを変えております。
お抹茶は普段 お好きな書院にお持ちしているのですが、今は拝観される方で混み合っているので [大輪の間]だけにさせて頂いております。その代わり暖房を効かせておりますのでゆっくりして頂けるかと… 。庭園作家の烏賀陽さんは 大輪の間は雪見障子のガラス越しに眺めるのが良いとお勧め下さっております。お抹茶席という限定ではありませんので 拝観の途中でほっこりと座って お過ごし下さい。只、寒いお堂でのお写経修行を終えられた方にはどうぞ優先的にお席をお譲り願います。
床の間には清水先生が蝋梅を活けて下さっており、甘く柔らかな香りにうっとりといたします。
お軸は 後水尾天皇さまの皇女でいらっしゃる 林丘宮様がお書きになられた本堂の勅額の書を掲げてあります。今回の[冬の旅]では 幾つかの尼門跡寺院の特別拝観も出来るとか…。林丘寺さんは含まれておりませんが、書画に秀でた大変に素晴らしい尼門跡様への尊敬を込めて住職が選んだようです。
そして 昨秋の[五感の茶の湯]紹介動画に続き 今回も雲龍院の一年間を紹介する動画を作ってみました。娘や住職が撮った景色や清水先生が撮った行事の様子…  「記録写真として撮って下さいね!」と清水先生にお願いしているのですが、いつもプロ魂がめらめらの こだわり画像を下さるので 盛り沢山に 5分でまとめてございます。お楽しみ頂けましたら幸いです。
[蓮華の間] は通常通りに [しきしの窓] を眺めて頂いております。床の間のお軸を別の物に掛け替える案もあったのですが、智満和尚の [麟鳳亀龍 ] があまりにも素晴らしく、又 大河ドラマの題名が [麒麟がくる] という事で 流行に乗る形で温存となりました。
冬の旅が終了する頃には 難しい漢字の麒麟がきちんと書けるようになるかもしれません…。


    続きは是非 雲龍院で…


「京の冬の旅」で沢山の方が雲龍院へ拝観にいらっしゃっております。
「こちらは普段、公開されていないお寺ですか?」と質問されますが、いえいえ あまり知られていないだけで いつでもお薬師様をお参りして頂けます。 只、この期間だけ公開している宝物や特に注目して頂きたい特別箇所 が意外と多いので ご紹介致します。

お台所に祀られている大黒天さまですが、今回の為に丈夫な台を作ってもらい 前方にお出まし頂きました。そのことで、大黒さまの横からの姿や後ろの方も覗かせて戴くことが出来ます。
「後ろに台みたいな物があったのですね。これは臼なのかしら?」「大黒さまは走り出そうとしている所? それとも 走っている最中?」などと疑問や発見が噴出しますが、東京オリンピックに向けて ランニングフォームの美しさは必見かと思われます。
背負った袋の大きさにもビックリ致しました。インドのマハカーラさん( 大黒天の前身 ) は象を背負っているという⁉︎…興味深いお話も先日 聞きましたが、確かにたくさん入りそうな袋です。「何が入っているのかしら?」と気になるところですが、先代住職は「善し悪しを 袋に詰めた 大黒天」と読んでおりますので、 皆様の煩悩や災いを取り込み 幸福を取り出して配って下さるのだろうと思います。
大黒さまがお入り頂いている お厨子 にもご注目下さい。 1月の成人の日に行われている「泉涌寺 七福神巡り」の行事の時にだけ 本堂前で大黒さまが使われているお厨子です。近くでご覧頂くのは初めての事かと存じますが、内部に人々の生活の様子などが、又 天井には龍が美しく描かれております。下部の釘隠し金具は無くなっている所もありますが、前面 左に獅子の形の物があり 舌をペロリと出しているように見えて とてもお茶目です。
大黒さまの 見どころ は台所の入り口に掲示してあります。インド出身の大黒天を意識して インド風にポップを仕立てたと 娘が言っておりましたが…  もしかしたら、せっかく帰省したのに特別拝観中でカレーが食べられなかった事を残念に思っていたのかもしれません…⁉︎   
兎にも角にも 大黒天さま、絶賛 快走中でございます!


〜新時代を寿ぐ特別な冬〜
ということで、毎年 京都市観光協会が主催している「京の冬の旅」が1月10日から始まっており、雲龍院も8年ぶりに参加致しております。
今回は 山内の新善光寺さんと 法要の関係で明日(18日)からの参入となりますが、本山 泉涌寺も特別公開となり 三ヶ寺がタッグを組む かなり贅沢なスポット。
雲龍院では この期間中、本堂に堂野夢酔先生の水墨画「双龍風雷図」が公開されております。お薬師如来さまもびっくり⁉︎ される程の勢いある龍が14面の襖絵に描かれており 又、星供 ( 星まつり ) の際に祀られる「九曜星本尊」がずらりと並び…
悟りの間 には室町時代の天皇で とんちで有名な一休さんのお父様と言われている「後小松天皇肖像画」 と釈迦三尊仏のお軸が掛けられており…
そして 今 大人気の大黒様は普段よりも   ず、ずい〜と前方にお出まし頂き、肩に担がれた 大きな袋や凛々しい横顔を間近で拝して頂けます。
受付と宝物の近くでは 知識と経験豊富なスカイガイドさんが親切 丁寧に説明をして下さいますので 楽しく拝観して頂けるかと…。私もこの機会に色々 教えて貰おうかと目論んでおります。
「大輪の間」と「大黒様」は 「へーポイント」として 注目して頂きたい箇所を 娘がボードにまとめて貼り出してくれました。
普段でさえも 見どころ満載な雲龍院なのですが、より 盛り沢山になっておりますので 是非とも お時間に余裕を持っていらして下さいませ。
「京の冬の旅」特別拝観
 令和2年1月10日〜3月18日
    (2月18日は中興忌法要の為 休止します)
      朝 10時 〜 夕 4時半 受付止 5時閉門










成人の日 で祝日だった1月13日に、泉涌寺七福神巡りの行事が行われました。
山内には本山の泉涌寺をお護りする形で塔頭寺院 (善能寺を除く) が8ヶ寺 存在します。それぞれで七福神のお一方をお祀りしており  雲龍院では大黒天を、そして番外として泉涌寺の楊貴妃観音と新善光寺の愛染明王を含めて 九福神 をお参りする事が出来ます。
特に この行事の日は即成院で福笹を貰い、山内寺院を参拝しながら吉兆飾りを買い求める方々で賑わいます。普段は格式高い静寂なイメージの泉涌寺ですが、途中 途中で小豆粥や昆布茶などのお接待をしている寺院もあり それを励みにして参道を上られる方も多く、一番 山奥の雲龍院では香り高い柚子茶と お正月に祀った鏡餅から作られた 大黒餅(よもぎ大福餅) をチビっ子大黒さんから貰えるので あちらこちらで歓声が上がり 笑みが溢れるのです。
京都ならではの 底冷えする日ではありましたがお天気も良好で、早朝からお参りの方が多く来られ 吉兆飾りの重さで頭をもたげた福笹がたくさん揺れておりました。






「一歩踏み出す大黒様は 開運成就の福の神」







新年の御祝詞を申し上げます。
令和2年が始まりました。今年は[ 子年 ] 。ネズミは大黒様の使者と言われていますので、「大黒様の年だぁ!」と住職は張り切っております。その事をご存じなのか? 年末年始は拝観やお写経に来られる方が多く 雲龍院は活気溢れるスタートでした。
住職と息子は本山 泉涌寺で元日から[ 修正会 ]のお勤めで 計7座を熟し、私も大黒さまを見習い 走り回っておりましたので 少々 お疲れモードではありますが、1月10日からは「京の冬の旅」特別拝観が始まり 1月13日(月祝) には泉涌寺 七福神巡りの行事がありますので ここからは持久戦でなんとか乗り切っていこうかと思います。
お正月の活花がいつも楽しみですが、今年も清水先生と石津先生が 袱紗と干支飾り を使って床の間を設えて下さいました。袱紗は石津先生のお手製、干支飾りは昔 写経会員でいらした水引作家の鈴木セツ子さんの作品です。
今年は特に 山門前の門松に注目が集まっております。庭師の斉藤さんが苔玉をイメージして製作して下さったのですが、お手伝いに帰省した娘が大喜びで、雲龍院のインスタグラム用に何枚もカメラに収めておりました。
令和2年が皆様方にとりまして元気いっぱい、幸多き年となりますようお祈り申し上げます。

 気を引き締めて 今年も頑張ります!


今年も残すところ数時間となりました。
例年通り 雲龍院では除夜の鐘の響きの中で新年を迎えます。
京都のタウン誌「Leaf」で紹介して頂いておりますが、23時45分頃から住職と息子が読経の後 いらして頂いた方から順番に突いて頂く予定です。
現在 鐘楼横の鎮守社の改修工事が行われておりますが これは昨秋、京都を襲った大きな台風で覆い屋が少し壊れた為のものです。台風の怖さを思い知った事もあり、今年も甚大な被害を被った場所への募金活動を併せて行おうと 募金箱を設置する事に致しました。
皆様方の煩悩を祓うと共に慈悲のお気持ちをどうぞお納め頂きますようお願い申し上げます。
申し訳ありませんが 除夜の鐘は仏教行事なので 108つで終了させて頂きます。又、山の中なので 名残り惜しさ満載の猪 の出現も否定できません。くれぐれもお気をつけて… あまり早くご来山頂きませんよう お願い申し上げます。





12月22日(日) に雲龍院では ひと文字写経 の行事が行われておりました。
昨年までは天皇誕生日の祝日だった23日の行事でしたが、令和となった今年は「どうしようか…」と迷いつつ やはり皆様のお出掛け易い休日の開催となりました。
さて、今回の ひと文字は [ 香 ] 。「あらら、随分と女子っぽい漢字ね!」とも思いましたが、般若心経の中にも説かれている  [眼耳鼻舌身意] の中の鼻を意識した文字であり 又、泉涌寺は皇室の香華院(菩提寺)であることから 香はご即位に際して皇室への敬意を表した漢字なのかと思います。
思えば泉涌寺には 今年の5月には 秋篠宮皇嗣同妃両殿下、6月には 上皇上皇后両陛下、そして11月には 天皇皇后両陛下 の行幸啓を賜わり 住職は興奮しっぱなしの一年でございました。勿論 お迎えの準備は周到に行われていたようで、霊明殿でお使い遊ばして頂く 御香 はかなり奮発して買い求めたと…。[ 香 ] への思い入れの深さをしみじみと語っていたのでした。
このような内輪の事情はどうであれ、
この日 朝から ひと文字写経 に来られた方々は勅使門前のテントで皆さま 美しく香をお写経をされ ご本尊 薬師如来様に奉納し 一年のご無事御礼と来年の無病息災を祈られたご様子。午後からは龍華会の会員さんも多数お越しになられ 悟りの間 ではお抹茶、大輪の間 では大黒そば を召し上がり 年の暮れの心せわしさを少し忘れて頂いたのでした。