こんにちは、宇野ひかるです。
みなさんは「共感覚」という言葉をご存知ですか?
以前もこのブログに書いたことがありますが、「共感覚」とは、ある刺激に対して通常の感覚だけでなく、異なる種類の感覚をも生じさせる一部の人にみられる特殊な知覚現象をいいます。
たとえば、料理を味わったり、何かの形を見たりすると、色が見えたり、音楽を聴くと口の中に甘い味や苦い味を感じたり……など、視覚刺激と味覚や聴覚が関連して起こる、特殊な感覚でもあります。
この「共感覚」は、主観的な心の世界と客観的な脳の反応との関係を深く知るための手がかりとして、継続的に研究されてきました。
現在では、生まれて間もない赤ちゃんには、こういった「未分化の知覚」が多く見られるといわれています。
誰でも、生まれたときはすべて「共感覚者」であると断言する研究者もいます。
普通の人は、大人になるにつれて、そうった感覚が分化し、視覚、触覚、聴覚と分かれていくそうです。
ですが、中には発達の過程で何らかの理由で脳の異なる部位への結合が保たれ、これらの複合した知覚もそのまま保たれているのが「共感覚者」だと説明しています。
「共感覚」の中でも、音楽や音を聞いて色を感じる知覚は「色聴」といわれ、最も多く発現します。
色を感じる音にも様々なものがあり、音程、和音、単語、会話などによって、色を感じるのだそうです。
また、音楽を聴くと鮮やかな色が次々に見える……という報告も多く寄せられています。
1900年代に行われた「色聴」の統計実験によると、音階別にドは赤、レはスミレ色、ミは黄金色、ファはピンク、ソは空色、ラは明るい黄色、シは鮮明な銅色に感じるという結果が出たそうです。
また同じ実験の結果、1オクターブ離れたドも赤で、高い音調になるほど色彩は明るくなり、低くなるほど暗くなったと報告されています。
例えばドなら、高くなるほどピンクに近づき、低くなるほど焦げ茶になります。♭レは紫、#ファは青緑に感じ、#ファとドを同時に響かせると、赤と青 緑を混ぜた場合同様、灰色の色聴になったそうです。
大変興味深い「色聴」の世界ですが、私もリラックスして音楽に身を委ね、頭の中でイメージすると、色彩が鮮明に見えてくるような気がします。
ふだんは意識はしないまでも、幼いときに持っていた「共感覚」を、もしかしたら誰でもが感じているのかもしれません。
ノブレス・オブリージュアカデミーにてカラーメンタリスト講座受講生募集中▶