先日宝塚音楽学校の卒業式で代表の方が誓いの言葉をおっしゃっていてそれが「清く、正しく、美しく」という言葉でした。
正確には創業者でもある小林一三氏の文章の中にある「朗らかに、清く、正しく、美しく」で経営理念からの一文です。
昨年明らかになったのは宝塚の劇団員の方の自死、ハラスメントやいじめがあったと言う話なのですが、まだ詳細は明らかにはなっていません。
この宝塚音楽学校の創設者の小林一三氏はこんな事になるのを決して望んではいなかった筈です。
そんな小林一三氏は昭和32年に亡くなっていますから、創業者の理念はだんだん薄れていくのは仕方のない事ではありますが・・・
小林一三氏の先天運は本命星（宿命）が一白水星、月命星（運命）が六白金星、「水天需」（隠忍自重）で、悩みやすい変動運です。
全てにおいて我慢を忍耐を強いられる先天運で、元々受け身で消極的なエネルギーで構成され困難に直面しても普通の人では挫折を感じる事であってもこの先天運を有する人はへこたれず難を切り抜ける才能を持っています。一代で財を成す人や不遇から一転、成功者へ駆け上がる人も多く見受けられ、どちらにしても不屈の精神の持ち主と言っても過言ではなくジャンルを問わず、活躍が期待出来る星。
この星を持つ人の特徴としては、表面的に表れる特殊な才能や適性ではなく、精神に於ける逆境をバネに反骨精神から芽生える諦めない粘りの性質を持っている。
この小林一三氏の立ち上げた事業というのは現代でも有名企業と言われているのが多く、ご存じの方もいると思いますが、この宝塚歌劇団、阪急電鉄をはじめとする阪急東宝グループ（阪急ブレーブス、東宝、阪急百貨店）もそうですし、六甲山の高級住宅地の開発や、関西学院の誘致、私鉄経営の礎を築いたのもこの小林一三氏です。
曾孫に皆さんご存じの元テニスプレーヤーの松岡修造氏がいますね。
小林一三氏は1月生まれですから、もう一つ先天運を持っていましたが、もう一つは本命星（宿命）二黒土星、月命星（運命）が九紫火星、「地火明夷」（艱難汝を玉とす）で、これも同じく悩みやすい変動運。
この先天運を持つ人は徹底した縁の下の力持ちに甘んじる事で内助の功の働きを見せる先天運で、真面目で知性を感じる人が多く良き指導者に仕える事で、自身の能力を発揮でき、上場企業の専務やクリエイティブ分野で名を成す事ができる星です。
そうやって見ていくと、二つの先天運を持ち、どちらも自分の星の特性さえ理解していれば、小林一三氏の様な活躍をすることは勿論可能で、ただ、彼が生きていた時代と今とではかなり乖離するものも多いので現代社会においての小林一三氏というのはなかなか現れないかもしれません。
ただ、彼の生い立ちは決して明るいものではなく、生まれてすぐ母親を亡くし、父とも生き別れた為、おじ夫婦に引き取られ育っています。
が、15歳の時に福沢諭吉塾長の慶應義塾に入塾し、そこから三井銀行（現三井住友銀行）に入行。
その時に知り合った岩下清周に誘われ（本命星が八白土星、月命星が七赤金星、「山沢損」（損して得取れ）、証券会社の支配人になる準備をするも、恐慌が起こり、その話は立ち消えとなって、妻子を抱えて早速失業したり・・・
その頃、鉄道国有法によって国有化された阪鶴鉄道の関係者が福知山線に並行する電気鉄道路線を敷設し、大阪の梅田から箕面・宝塚・有馬方面へ頻発運転を行うことを目的として設立されようとしていたが、恐慌に見舞われて全株式の半分も引き受け手がないといった苦境に追い込まれてた事を聞いた小林はそれに目をつけ、電鉄事業の有望性を北浜銀行（三菱東京UFJ銀行の前進の一つ）を設立した岩下清周氏に説き、株式を引き受けさせる事に。
そこから数々の苦難を乗り越え、いくつもの事業を成功させたのが小林一三氏である。
その中の一つが宝塚音楽学校、宝塚歌劇団である。
1913年に設立されたとあり、この年は六白金星が九星後天定位盤の中宮に定座する年。元々は温泉貨客誘致のため少女歌劇を組織したのが発端ではあるが、
「私の最大目的は、生活の単位を個人より家族に、従って其娯楽も亦個人より家族に、即ち、かくの如くにして、家族より家庭に、更に、家庭より公共に、而して大衆に、全国民に、──其旗幟（はたじるし）は簡単にして鮮明である。朗らかに、清く、正しく、美しく、これをモットーとする我党の芸術は即ち高尚なる娯楽本位に基くところの国民劇である。」
成功者としての稔侍をもって携わっていた部分もあったのだと思います。
現状の宝塚歌劇団の有様を見たら小林一三氏はなんと言うでしょうか。
人を大事にせず、お金に走って仕舞っている上級国民と言われている人間達の行動が
今の日本を混沌としたものにしてるような気がしますね。
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