「スピード」や「マトリックス」シリーズなどキアヌ・リーヴスを主演に迎え、亡き妻の忘れ形見を奪われた元殺し屋がたった一人で、マフィアに向かっていく復讐劇を描いたアクション作品。ガン・アクションと、カンフーを組み合わせたスタイル『ガンフー』やフォード・マスタングやシボレー・シェヴェルでのカー・アクションといった目を引くアクションを、スタイリッシュに映していく。監督は「マトリックス」シリーズのスタントコーディネーターや「ウルヴァリン:SAMURAI」のアクション コーディネーターを手がけたハリウッドきってのスタントマン、チャド・スタエルスキ。共演は「プラトーン」のウィレム・デフォー他。
ジョン・ウィック(キアヌ・リーヴス)は裏社会にその名を轟かせた殺し屋だったが、妻への愛に目覚め引退。しかしその妻が病死してしまう。妻亡きの忘れ形見として仔犬が届くが、その仔犬が強盗によって惨殺され、自慢の愛車のフォード・マスタング・BOSS 429も盗まれてしまう。強盗の正体は、大きな勢力を築くロシアンマフィアのヴィゴ・タラソフの息子ヨセフであった。実は、ジョンは過去にヴィゴに雇われていた殺し屋であり、ヴィゴの現在の勢力もジョンの働きによるものだった。ジョン・ウィックは怒りに身を任せ、たった一人ロシアンマフィアに対し、復讐に乗り出す…。
キアヌ・リーヴスといえば、「マトリックス」ですよ あのネオのアクションは凄かったですよね。ところが、この「ジョン・ウィック」はまさに“アンチ・マトリックス”なんですよ。短いカット割りでスピーディで荒々しいアクションがこれまでのハリウッド流だったんですよね。それが、アクションを丁寧に映す長まわしを用いているのが今回の「ジョン・ウィック」。いわば、「マトリックス」でのスタイリッシュでスピーディなアクションに対して、「ジョン・ウィック」では生々しく痛みの伴うアクションを行っているのですね。その証拠に、キアヌ演じるジョン・ウィックは、いつも傷だらけです。
ただ、物語の全体的なトーンはお洒落です。世の中の殺し屋やマフィアを統括する組織【主席連合】、それらの組織や個人に対する全てのサービスを提供する【コンチネンタル・ホテル】。特にそのコンチネンタルの支配人ウィンストン(イアン・マクシェーン)や、マネージャーのシャロン(ランス・レディック)、の2人の身のこなしやセンス、服装などは洗練されてるんですよね。ただ、この時点ではまさかシリーズが3作、4作と続いていくとは思いませんでした。ということでこの後「チャプター2」「パラベラム」と、一挙3作品連続レビューとなる予定ですので、お楽しみに
「ジョン・ウィック」(2014年)
監督 チャド・スタエルスキ、デヴィッド・リーチ
製作 ベイジル・イヴァニク、デビッド・リーチ、エヴァ・ロンゴリア
脚本 デレク・コルスタッド
撮影 ジョナサン・セラ
編集 エリザベート・ロナルズ
音楽 タイラー・ベイツ、ジョエル・J・リチャード
出演 キアヌ・リーヴス (ジョナサン・ウィック)
ミカエル・ニクヴィスト (ヴィゴ・タラソフ)
アルフィー・アレン (ヨセフ・タラソフ)
エイドリアンヌ・パリッキ (ミズ・パーキンズ)
ブリジット・モイナハン (ヘレン・ウィック)
ウィレム・デフォー (マーカス)
ジョン・レグザイモ (オーレリオ)
ランス・レディック (シャロン)
イアン・マクシェーン (ウィンストン)