柳 広司 『パラダイス・ロスト』 | きまぐれWalker2

きまぐれWalker2

2019年より Amebaブログにやってきました
それ以前はYahoo!ブログでやっておりました
気づけば17年、時間だけは長くやってますな

柳 広司 『パラダイス・ロスト』 (角川書店) 1,575円
 
イメージ 1
 
[作品紹介]
大日本帝国陸軍内に極秘裏に設立された、スパイ養成学校“D
機関”。「死ぬな。殺すな。とらわれるな」―軍隊組織を真向か
ら否定する戒律を持つこの機関をたた一人で作り上げた結城
中佐の正体を暴こうとする男が現れた。英国タイムズ紙極東特
派員アーロン・プライス。 ある日彼は、 ふとした発見から結城の
意外な生い立ちを知ることとなる―(『追跡』)。 他、ハワイ沖の豪
客船を舞台にしたシリーズ初の中編 「暗号名ケルベロス」を
含む、全5編。
 
****************************************************
 
大好きな柳広治さんの「D機関」シリーズ、最新刊の『パラダイ
ス・ロスト』が出ていたのを見逃してました… しかも、刊行さ
れたのは昨年の3月とだいぶ前。それに、前作『ダブル・ジョー
カー』の最後では、日米戦争が開戦を遂げていたので、もしか
たら続編は出ないのか という気持ちもありました。 しかし、
やっぱり3冊目が出ましたねチョキ 待ちに、待った作品だけあ
て、サクサク読めますよ!!
 
最新作では時代が遡っており、欧州では第二次世界大戦(
独×連合軍)が始まっていますが太平洋(日米間)
はまだ平和という時代のようです。全5編の内容は、「誤算」
ドイツ占領下フランス・パリに潜入した島野亮祐は一時的に記
憶喪失になっていた。「失楽園」…米海軍士官のキャンベルは
シンガポールのラッフルズ・ホテルで、美しいジュリアにひとめ
れしてしまう。「追跡」は上記ストーリーを参照のこと。
 
最後の中編、「暗号名ケルベロス」…“洋上の聖母(マドンナ)”
とも称される 【朱鷺丸】 に乗り込んだ内海脩がクロスワードパ
ズルを解いていると、貿易商のアメリカ人モーガンが近づいて
る。“ケルベロス”とは、ギリシャ神話に出てくる冥界の番犬。
また、 ナチス・ドイツが使用していた暗号の認証方式。 枢軸国
となった日本もその改良形を用いていた。 さて、 このケルベロ
スの意味するところとは…!?