水底平家スペシャルインタビュー 脚本・演出:亀尾佳宏さん | 雲南市創作市民演劇

雲南市創作市民演劇

主催/雲南市演劇によるまちづくりプロジェクト実行委員会

本番まであと3日!

スペシャルインタビュー、今回は脚本・演出および平知盛役として出演の亀尾佳宏さんです!

 

2012年「異伝ヤマタノオロチ」から6年、脚本・演出として市民劇を見てきた亀尾さん。

今回の水底平家へと至る想いをきかせていただきました!

 

---

 

★脚本・演出&平知盛/亀尾佳宏さん

─今回、水底平家は2013年以来の再演となります。今回、改めて公演を行う事への想いをお聞かせください。

最初に考えるのは「平成」が終わるということですね。
歴史をみると時代の区切りごとに戦いがあって、戦いが終わり新しい時代が来るというのを繰り返してきたわけですが、この平成にはそれが無かった。
次の時代も戦のない世の中にするために今、自分たちは何を考えどう行動したらいいのかというのを考えたときに、平家物語の戦乱と現代との繋がりを描いた水底平家を平成最後の年にやりたいと思いました。

 

─水底平家を書こうと思ったきっかけとは?

ずいぶん前にこのチェリヴァホールで平家物語のワークショップ公演があって参加したんです。その時に平家物語の、物語そのものの面白さや音のリズムが演劇に合うんじゃないかと思って、高校演劇用の台本として書きました。高校演劇では60分という枠がありますから結構削った部分がありましたが、市民劇ということで入れたかったシーンを入れさせてもらっています。

 

─今回の水底平家は高校の物とも、2013年のものとも違うものになっています。こういった変化はなぜ生まれたのでしょうか?

その時参加するメンバーであったり、時代であったり。そういうものが作品の変化として現れたのではないかと思っています。
雲南市民劇では毎回ですが、今まで参加してくださった方に新しく参加という方が加わって、新しい集団が生まれるんです。そこで作り上げる作品というのは再演といいながら、おのずと新しいものになっていくというのはありますね。
今回は、初の海外出身の方が参加されます。顔合わせでダニエルさん(パトリック役)を見たときに、「彼を生かした作品にするとどうなるんだろう?」という気持ちが生まれて、何度も稽古を重ねるうちに今回のような変化になっていきました。

 

─ダニエルさんの話も出ましたが、今回のメンバーを初めて見たとき、亀尾さんが感じられた事は他にもありますか?

今回も雲南市だけでなく、大田市や倉吉市といった幅広いところからこの雲南に集っていただいているというのは嬉しいですね。普段は全く別のところで生活している人たちがこのチェリヴァホールでお芝居をつくるために集まって、新しい関係を生みだしている。これは私が市民劇で初めて脚本演出した「異伝ヤマタノオロチ(2012年・3月)」の頃からあった流れなんですが、今ではこの多方面からの参加が自然になったというのを感じます。
また、特別出演の西藤さん(西藤将人さん・劇団ハタチ族代表)がいるのも大きいですね。彼自身がかなりの場数を踏んだ、優れた役者としての経験と技術を持っているので、それを参加メンバーに伝えてもらうことで、皆が学んでいるものは多いと思います。

 

─雲南市創作市民演劇が始まって8年。演劇を取り巻く変化は感じますか?

いろんな人が独自の活動を始めましたよね。自分たちでメンバーを集めて。
それは演劇に限らず、音楽だったり地域の活動だったり。
最初はこのチェリヴァホールで演劇が好きな人たちがお芝居を作り、お芝居を観るのが好きな人が当日観に来る中で街が少しでも賑わえば、という感覚でした。もちろん、関わった人たちが自分たちで何かを始めようとする流れになったらいいな、という期待はありましたが、こんなに早くそういう流れになるとは思っていませんでした。予想をはるかに超えた部分がありますね。

「町が変わった」「演劇を取り巻く環境に変化が生じた」というほどではありませんが、市民劇が始まる前より、この雲南市に「演劇がしたい」「演劇に興味がある」という人たちは間違いなく増えたと思っています。

 

市民劇の中でも変化があります。初参加という方は皆さん、最初は少し遠慮がちになってしまうんですよ。それが、以前から参加してくださっている方がリードする形でいろいろやることで「あ、自由にやっていいんだ」という雰囲気を作ってくれていて、経験とかそういうもの関係なく、楽しく思い切りやればいいんだと感じられるようになっています。
ここから残り1週間(3/24時点)、自分が想像している以上のものが参加者の皆さんから生み出されるようになると思います。

本番、楽しみですね。


─最後に皆様へ一言!

本番のある3/31・4/1はどうやらこの木次町、桜が見ごろという予報が出ています。一年に一度の花見と観劇が同じ日に楽しめる素敵な日になりそうですので、ぜひ劇場でこの日しか観れないお芝居を楽しんでいただけたらと思います。お待ちしております。

 

(文:坂田年彦)

---

 

ありがとうございました!

更新は本番まであと2回。

ゲネや稽古での皆の様子、ドドドっと紹介しちゃいます!

 

それでは、また!

 

『水底平家~みなそこへいけ~』

雲南市木次経済文化会館チェリヴァホール

平成30年3月31日 14:00~/19:00~

平成30年4月1日 14:00~

チケットのお求めはこちら↓

http://www.cheriver.com/event/3796