バーダー4年生として、雷鳥との58年ぶりの出合い | 小さな動物病院の老獣医の時々ブログ

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宝塚市にある動物病院で仕事を続行中の団塊の世代です。仕事の合間にカメラを担いで野鳥観察や自然観察に興じています。

撮影日2024年6月16&17日
 雷鳥との最初の出合いは高一の夏季合宿。場所は室堂、地獄谷の房治荘(今は無くなっているそうです)の近くの道。友人と自由時間に、宿の近くの雪渓をエアマットで雪滑りを堪能、宿に戻る途中で、たまたま後ろを振り返った時に、雌の雷鳥が道を横切って直ぐに姿を消したのが薄っすらと記憶に残っています。
 この当時から将来は動物と関わる仕事をしたいと思っていましたが、野鳥観察とは無縁。まさか半世紀の時を経て、この地を訪れることになろうとは、その時点では知る由もありません。
 小雨混じりの霧に覆われた室堂へは15時過ぎ到着。ホテルの窓から見ていると、時折吹く風の影響で一瞬、視界が開ける時があるので、鳥さんでもいないかと窓から眺めていると、50メートル先の小さな岩の上に、雄の雷鳥が現れたので、間髪入れずに現場へ急行。
 カメラを携えて出ていくと、あたり一面霧がまた深くなり、雷鳥も行方知らず。こんな天候が幸いして、人通りがあまりないので、再登場の期待が高まります。
 しばらく待っていると、雌の雷鳥が登場し、少しずつこちらへ近づいて来ます。するとロマンティックなミルク色の静寂の世界を一撃でぶち壊しにするような大きなカエルの様な鳴き声と共に、雄の雷鳥が岩の上に颯爽と飛来。霧が無かったら良い構図なのに思いつつも、霧の中の雷鳥のシルエットを眺めるしか術がありませんでした。雌の雷鳥ボディガードといった感じです。
 そうこうしている内に二羽が着かず離れず状態になり、一瞬霧が薄くなった時に驚きの光景を目撃する事に。雄が尾羽を広げてディスプレイ行動をすると、ビックリ仰天、5メートル先で、交尾がはじまり出しました。霧のレースのカーテンのお陰でカップルが大胆になってくれたようです。
 撮影条件は悪かったですが、私にとってはとっておきの千載一遇の画像が確保できたのはラッキーでした。
 翌日は晴天にせいで、散策ルートには行列ができ、雌の雷鳥は近くで二度目撃しましたが、雄は地獄谷を臨む谷の斜面の大岩に後ろ向きでとまっているのが一度と逆光の道端で一度を見ることが出来ただけと出は良くありませんでした。雷鳥を探して、みくりが池周りの散策路を1.5周しましたが、霧のなかで悪戦苦闘した2時間に優る場面には出会えませんでした。
 標高2500mの中をハードに歩き回ったせいで、初めて軽い高山病に。手に少し違和感を感じたので見てみると、1.5倍位の大きさにむくんで、グーが出来ない状態になっていました。
 それでは延べ約10時間の間に撮影できた雷鳥の画像の何枚かをご紹介したいと思います。第二報では、雷鳥以外の鳥さんや、高山植物等をご紹介したいと思います。ィガードといった感じです。

雄のディスプレイが始まりました

交尾が始まりました

肉冠が鮮やかな雄

岩の上でテリトリーを主張する雄

保護色の雌