愛犬の死についての描写があります。
ご自身の状態でお読みください。
 
 
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亡くなる日。
もう息をしているだけで、ほとんど動かず。
 
その日は土曜日で家族みんなお休み。
午前中、洗濯物を干し、家事を済ませ、
数日前から痛かった腰を診てもらいに整骨院に行くことにした。
ついでにお昼ごはんをマックで食べることに。
 
今思えば、なぜごえもんがそんな状態なのに家族みんなで家を空けることにしたのか。
『もしかしたら死に目には会えないかもしれない、でも死ぬ瞬間だけがごえもんではなく、これまで生きてきた軌跡全部がごえもんなのだから、タイミング的に会えなくても後悔はしないの。』
周囲にはそんな話をしていた。
それも本当に思っていたことだけれど、それはどうしてもの用事で家を空けているときに…の話で、
 
今日行かなくてもよい整骨院、
夫婦どちらか一人は家に残っていてもよかったのに、
とくに考えることもなく出かけた。出かけてしまった。
 
すでに大きな力に動かされていたのか。
 
 
私が一番最後に家を出た。
リビングのドアを開けて玄関へ行こうとした、
そのとき、虫の息だったごえもんが
 
顔を上げてないた。

 

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振り返って私は言った。

 

 

 

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あのとき、ごえもんが鳴いた意味を考えていたら。
 
 
お昼ごはんを食べながら、
このまま整骨院に行けばかなりの時間ごえもんは留守番だな…
と思う。
整骨院は交代で行こう、とダンナちゃんに提案し、一度家に戻ることに。
 
家の前で降ろしてもらい、ダンナちゃんは整骨院へ。子どもたちは友達を見つけて外に遊びに行ってしまった。
 
 
 
ただいまと玄関に入る。
だいぶ前から耳の遠いごえもんは、体を触るまで帰ってきたことに気付かなくなっていた。
ましてや、今の状態ではとても気付けないだろう。
早く体に触れて安心させよう。
 
 
 
リビングのドアを開けた。
 
 
 

 

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秋の柔らかな陽がごえもんを包んでいた。
まだ近づいていないけれど、
一目でわかった。
 
 
あぁ
 
 
 
 
いってしまった。
 
 
 
 
 
ごえもん。
 
 
 
 
 
ごえもんの元に座り、しばらく眺める。
それからそっと撫でる。
まだ暖かかった。
生きてるみたい。
 
無言で泣いた。
 
 
オットに電話。とにかく戻って。と伝えると察したもよう。
すぐに戻ってきた。
オットもごえもんを撫でて泣いた。
 
 
子ども達も戻ってきた。
「ごえもん、死んでしまったよ」
と言うと、じゃあお手紙書かなきゃ。とお別れの手紙を書きだした。
 
子ども達は泣くこともなく、しばらくするとまた遊びにでかけた。
その後の様子を見ていても、子どものほうが自然に受け入れている気がする。
 
 
 
その日のうちに荼毘にふす。
煙がもくもく、空に上がっていった。
 
 
ごえもんは木々
ごえもんは花
ごえもんは風
ごえもんは太陽
ごえもんは雨
ごえもんは空
ごえもんは世界
 
世界のいろんなものに溶け込んで
 
私たちの中にも
 
いつもいる
 
 
 
 
 
ずっと最後に鳴いた意味を考えている。
 
しばらくは「行かないで」だと思っていた。
一人にしないで
寂しいよって。
行ってしまった自分を責めた。

 

 
でも時間が経つごとに、それは違うかな。
と思えるようになってもきた。
 
ごえもんはあの時、
 
「じゃあね」
 
って言ったのかな、って。
 
 
じゃあね、の中に
ごえもんの14年間がぎゅっと詰まって。
ごえもんの大きな愛がぶわぁぁぁんって詰まってて。
私たち家族にすっごい愛を置いて行ってくれた。
 
おれ、先、行っとくよ。
お前たちのこと心配だけど、もう行くわ。
じゃあね。
 
 
リビングのドアを開けて視界に入った
ごえもんの最期の姿は
光に包まれて
本当にきれいだった。
思い出すあのシーンはいつもキラキラしている。
神々しいとはこのことか。
美しくて、だから、あぁいってしまった。とすぐに分かった。
 
 
 
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今も、ごえもんを思わない日はない。
でも悲しい気持ちではない。
生活の折々に、家中に、楽しかった思い出やプッと笑ってしまう思い出がたくさん落ちている。
思い出すたびに心が温かい。
ときどき会いたくてしょうがくなくて切なくもなるけれど。
 
ごえもん。
私たち、元気にやってるよ。
いつかそっちに行ったとき、いろいろ聞かせてね。
 
 
ごえもん、
君というやつは。
 
 
君というやつは。
 
 
君というやつは、
 
 
最高!!!
 
最高のワンコだったよ!!!

 

 
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