先日(4月28日)、佐々総合病院名誉院長で
整形外科医の渥美 敬先生の講演会に行ってきました。

仕事で少し遅れての参加となりましたが、
会場は、満席状態で、100名以上の方々が参加されていました。

それだけ股関節の病気を抱えている人が多いということです。

渥美先生は、診断・治療が難しい分野、
特に、成人の変形性股関節症、大腿骨頭壊死、
小児のペルテス病、大腿骨頭すべり症など、
重篤なものを専門にされています。

年間200人以上の手術経験があり、
厚生労働省の委員もされているので
日本の医療制度にも精通しておられます。

そういえば、私が主治医を選んだ時にも、
年間100件以上の手術経験がある方ということを
基準にしていました。

講演会では、リアル画像を使って、
手術の方法を説明されていましたが、
怖がりの私は、全部の画像を見られなくて
詳しいご説明ができません。

手術時の感染対策として、
何度もジェット洗浄を繰り返し、
また手術中に出血した血液は、
きちんと回収して後で本人に戻すそうです。

また、日本で使われている人工関節は、
100万円ぐらいするそうで、
セラミックの骨頭部分だけでも
12万円するそうです。

人工股関節がそんなに高価なものであることを
今まで全く知りませんでした。

私の体に入っている人工股関節を
これからは大切にしていかなくては思いました。

日本の医療では、
私の推測ですが、実際には、
10分の1ぐらいの価格で
購入することができるのではないかと思います。

私の場合も左側の人工股関節は、チタンで
右側の人工股関節は、XE-ポリエチレンです。

渥美先生によれば、アメリカでは、XE-ポリエチレンは
使われておらず、チタンを使っているそうです。
台湾は、日本と同様のものを使っていて、
国によって、使用される人工関節が違っているそうです。

これらのことを考えると、
「日本の医療制度も捨てたものじゃない。」と
先生は、おっしゃっていました。

人工股関節の手術後に注意することは、
術後2カ月後には、骨ができるので
それまではあまり無理をしないこと、
長期的には、人工股関節の摩耗粉が
骨を溶かす(骨融解)こともあるので、
年に1回ぐらいは定期健診をする必要があるそうです。

変形性股関節症の平均年齢層は、
63~64歳だそうですが、
人工股関節の手術の時期については、
高齢になると、心臓が悪くなったり
合併症なども出てくるため
人によって異なってくるそうです。

自分の人生をどのように過ごしていきたいかを
よく考えた上で手術の時期を判断するべきだと
先生は、コメントされていました。

私の場合も50歳で発症し、
両股関節の手術が終わったのが55歳、
その後、バリバリと仕事をこなすまでには
1年を要したので、
実際には、56歳までかかってしまいました。

50代で6年間を費やしたことについては、
正直言ってもったいないことをしたと思っています。

もっと早い時期に信頼できるお医者さんと出会っていれば
2~3年は短縮できたでしょう。

講演会後半には、質問コーナーもありましたが、
時間がほとんどなくて質問ができませんでした。

講演会終了後に、変形性股関節症と正しく向き合う会の名刺を持って
渥美先生と少しお話しをさせていただきました。

先生は、私の名刺をご覧になり、
「とても立派な活動をされていますね。私にできることがあれば
是非、ご協力します。」と言って下さったので、
また一層頑張っていこうと思いました。