新しいリーダー観 | 続・教育のとびら

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教育・成長・人の発達・組織論などのブログです
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主宰 福島 毅(どんぐり)

こういう時代だと、強力なリーダーが求められる風潮になり、新春の新聞論説などにもそうした記事を多く見ます。

しかし、はたして、そういうリーダーが変えていける世の中なのでしょうか?

まず、極めて有能な一人が解決できるほど、現代社会の抱える問題が簡単なのか?という問いが立ちます。現状の世界各国の首相や大統領で、すべての民衆を納得させ支持率も高い状態を維持しているというケースはほとんどないと思います。人口の少ない国ではあるかもしれませんが、数千万、億という人口をかかえるとなると格差も大きく、国民の満足のポイントもそれぞれ違っています。

日本は5年で6人のリーダーが変わっていて、それでも不満が強い。人気を博したオバマ大統領も実際に政治の舞台に立つとのきなみ支持率は下がりました。期待されてリーダーになるものの、その前途は容易でないことがうかがえます。

つまり誰か一人の有能なリーダーが立てば、問題がたちどころに解決していくというのは幻想であると思います。世界一のスパコン”京”は、何千台というプロセッサを並列して同期をとって計算します。たぐいまれなCPU一つがスーパーな仕事ぶりをするのではなく、そこそこの能力のあるCPUが協力することで、とてつもない能力を発揮しているわけです。

私は昨年から高校生向けのリーダーシッププログラムを主催していますが、大切にしている
ポイントは、リーダーの多様な引き出しです。ある時は先頭に立ち、あるときは隣で見守り、ある時は見えないところで下支えできる。ある時はビジョンをつくり、あるときは計画を綿密にたて、ある時は実行力のある行動ができる。そうした多様な引き出しを使うことで、集団の中でのリーダーシップがいきてくるのだ思います。