2009/12/3付 朝日朝刊のオピニオン欄に、仙田満氏(環境建築家・放送大学教授)の記事がありました。タイトルは、「子供の劣化 自由に遊ぶ環境の再構築を」というものでした。
以下+++で囲まれた部分は引用です。
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歴史を顧みても困難な時代はいつでもやって来る。それを乗り越える人材が国や地域から輩出できるかが問われるのだ。わが国は人材のみが資源といえる国である。にもかかわらず、未来を担う子供たちに元気がない。子どもたちの劣化ともいうべき状況は国の将来として全く危機的である。
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仙田氏はこの主張のあと、藤沢市教育委員会調査の「もっと勉強をしたい」という学習意欲が65%(1965年)から25%(2005年)になっていることや、OECD調査で、15歳の子供たちが「自分は孤独だ」と感じている割合は、他の多くの加盟国が5%くらいであるのに対し日本は30%と突出していることを指摘している。
そして、以下の主張へと続く。
日本の子供たちの自由で豊かな遊び場が減っており、遊び時間を支配しはじめたのが、テレビやPCやケータイであることを指摘している。 ITメディアとの接触や都市化が子どもの成育環境全体に及んでいて多様な遊び体験ができにくくなっていると・・・
また、核家族化の進行で子供を持つ家庭、特に母親が孤立化を深めていることなど。
以上の主張は、私がかねてより当サイトで主張してきたこととよく符合しており、建築や住環境の専門家から見た結果と一致している点に驚きました。
子供たちは自然での遊び体験から、身体性・社会性・感性や創造性を身につけているのであり、それを取り戻すことを今、真剣に考えなくてはならないという主張は、全く同感できるものでした。