勉強は苦痛でつまらないといった観念が大人も子供も多い国、日本。
PISA調査の学習に関するアンケート項目などにおいても、日本の子供達の勉強意欲や勉強時間の少なさが際だっていることが問題視されています。
このことに関しては、以下のような議論があります。
「教師がもっと面白いことを行い、生徒の興味をひきつけるような授業をすれば、もっと生徒も勉強をするようになるのではないか?」
この指摘はある面当たっていますが、ある面はずれていると思います。わかりやすい例が、米村でんじろう先生。かつて学校ではいつものように楽しい実験を豊富に取り入れた理科の授業をしていました。実験をしている時の生徒のくいつきは良かったようですが、生徒からは「受験の役に立つの?」といった批判などがあったり実験以外の説明部分は生徒が真剣に聴いてくれなかったりというエピソードを耳にしたことがあります。
これはどの教科も同じことが言えており、例えば地理の授業で、世界各地の面白い風習の話を持ってきたところで、生徒がその国の場所や背景・産業などの知識がまるでなかったら、面白さは半減というところでしょう。英語を得意になるには、わからない単語について地道に調べるなどの努力も必要となります。
では、普段のこうした通常の授業の中で、学びを楽しくするポイントやコツはないでしょうか?
先日、「ブッダの集中力」という本の中に次のようなヒントがありました。
「これは こういうことだったのか!」
「なるほど、いってみれば、これは○○ということだな・・・!」
「逆の立場から考えるとこうは言えないかな?」
「自分だったら、どうするだろう。(歴史などの学習で)」
「この内容を子供にもわかるように説明するとしたらこうかな?」
「どうすれば、この内容を人にわかりやすくプレゼンできるだろう?」
などと、いろいろ想いを巡らせながら学習していく。
独り言を言いながら? 学習していく。 そして、上記のような会話を友人同士でやってみたり、実際に小学生を前にプレゼンする機会などがあったらもっと楽しくなるだろうにと思った次第です。
自分も人に教え、「ああ、そういうことだったんですか。わかりました。へーそうなんですか」と驚く生徒の反応が見たくて教師をやっているようなところがありますし、自分で勉強を深めるほど、その驚きや感動というものが深まっていきます。そしてそれが学問の本筋なのではないかと思います。
○や×によって正解・不正解が決められたり、大学受験を突破するための勉強だったりではなく、本来、学ぶということはどういうことなのかを再確認する作業、それが今の日本の教育に求められているのではないでしょうか?