小6と中3を対象にした全国学力テストの結果を市町村単位あるいは、学校単位で公表するかどうかということで、混乱がおきています。そんな中で、文部科学省の専門家会議の分析が報道されていました。本来、学力テストの主旨はこのような分析により、学校改善に役立てるといったことにあると思います。
それによれば、学力が向上した小学校で目立ったのが、
A:「学校図書館を活用した授業。例えば課題解決のための資料を図書館で探す調べ学習」
中学校で目立ったのが
B:「学校公開の取り組み。例えば学校公開日を設ける。」といったこと。
また、小学校の国語と算数・数学の関連では、
C:「書く習慣、読む習慣をつける取り組み」の強化が算数・数学の力をあげているといったことでした。
ここから私見です。
まずAについてですが、生徒が主体的に動く活動は、受動的に講義を聞くよりも、知識や経験をより深める作用があるためと思われます。これは芸能や技を伝承する場合にもただ見ているだけでは身につかず、失敗しながらやってみることが大切であることを示唆してるように思います。
Bについてですが、学校公開をすることにより、教員の姿勢がまず変わります。見られるからきちんとしなくてはならないという作用は大きいし、オープンにすることによる風通しが良いフィードバックをもたらすようです。授業公開が盛んな学校は研究熱心な教員も多くなり、見せる・見せるに値する授業に取り組むことが大きいです。そして、地域の多数の目が生徒に届くことも生徒にとっては安心材料だったり反省材料だったりするのではないでしょうか。
Cについてですが、算数の特に文章題が苦手な生徒は、問題文の主旨を理解することができませんので、これは当然の結果だと思います。文章が論理的にきちんと読め理解できれば、あとは数学知識を応用すればよいということになるのでしょう。また、論理的に読む・書く習慣自体が、算数・数学の根底にある論理的思考力を助けているとも考えられます。