科学者 茂木健一郎氏の著書「脳を活かす勉強法」の第一講には ”脳はドーパミンと強化学習が好き”という内容が書かれています。
その要点について考えてみます。(太字が引用部分)
・脳はポジティブな期待やほめられた体験をとてもよいものとして受け止める。
・叱られた人間の脳はやる気を失っていく。
・脳が喜びを感じるためには「強制されたものではない」ことが大事。
・何をするにしても「自分が選んでいる」という感覚こそが強化学習に欠かせない。
・部下や子供の主体性を引き出すためには、どんな小さなことでもいいから自発的にやったことで「成功体験」を持たせることが大切。
我々大人は、子供達の学習場面で、つい強制モードが多くなっています。
しかし、これでは学習も行動も強化されていかないということでしょう。小さな成功体験を積み重ねさせ、励ますことが大事だということがわかります。問題は、「勉強しなさい」と言いたいところを押さえて、自主的に勉強したくなるような環境を整えてあげることが求められているように思います。
・「えっ私ってこんなこともできたの?」という意外性が強ければ強いほど、喜びが大きくなるしくみ。
・目の前のものに没入して新たな知識ややり方を発見し、自分のものにしていく。人の成長は、学習を抜きにして考えることはできない。
・脳は、負荷をかけて苦しみを与えた後、それが成功した時に一番喜びを感じるというメカニズムを持っている。
できるかできないかわからないことに挑戦し、それをクリアした時に喜びを感じる脳のメカニズム。これは教師が授業デザインをするときに意識すべきことかもしれません。もちろん、このような脳のメカニズムがあるということを生徒に知ってもらう、認識して理解してもらうということも良いかもしれませんね。