ハリドワールにて。祈祷、沐浴、浄化。 | 北インド☆ゆるヨガライフ

北インド☆ゆるヨガライフ

ヒマラヤで出会った夫と、北インドローカル暮らし8年目。
お見合いが主流のインドで年の差婚、3度の流産、文化や習慣の違いに奮闘中。
スラム支援のNGOで働いたり、子宮腺筋症と共存しながらゆるーくヨガを続けたり。
40代インド生活の気づきと学びです。

夜10時半にチャンディガールを出たバスは、早朝4時にハリドワールに到着。ホーリーの祝日は家で過ごす人が多いためか、どこのバスターミナルもいつもよりは空いていた。

 

 

車窓から見るハリドワールは、高速道路沿いやガンジス川沿いの広大な土地にクンバメラ用と見られるテントが無数に立ち並んでいた。一体どれだけの人が押し寄せるのか??ハイライトは来月(4月)だけど、既に準備万端の様子。

 

 

ハリドワールのバスターミナル前。

 

 

バスターミナルと鉄道駅が向かい合う市内で降り、乗り合いオートリキシャーでガンジス川のメイン会場へ。最初150ルピーと言われ、適正価格ポリスな夫が各20ルピー(2人で40ルピー)に値切った。それが相場らしい。

 

 

メイン会場の河川敷、ハリキパウリー(Har ki Pauri)に着くと、早朝にも関わらず橋や河川敷が明るくカラフルにライトアップ。聖地と言うよりテーマパークのよう。

 

蛍光色にライトアップ✨朝5時前でも既に沐浴する参拝者たち。

 

 

トイレとシャワーが無料で使える建物が川沿いに建てられており、参拝者の身支度に不便のないようになっていた。早起きの皆さんが会場へ向かい始めていた。

 

ゲート手前にてロッカーのオジさんに靴を預け(各10ルピー)、裸足で大理石貼りのガートへ。ゲートの下は水が張ってあり、通りながら足を清めるのが礼儀。

 

 

ここをザブザブと裸足で歩いて会場へ。滑るよ。。
 

 

ガートの手前の階段にはパンディットたちがブースを構えて座っているので、各種プージャをお願いすることが出来る。

 

 

私たちは厄払いと健康祈願(多分)の2つをお願いし、10分ほど座ってパンディットの唱えるマントラを復唱しながら儀式を行う。このパンディット相当早口で、着いて行くのがやっとだった。笑

 

 

早口王なパンディットジ。若いけど落ち着いた雰囲気。

 

 

終わってからお供物をガンガへ流しにガートを降りる。夫は一番人気の場所に突進するので、必死に後を追う私は人にぶつかりそうになって滑りそうになり、掃除の人にバケツの水で足元をバシャーと流されて、スプラッシュマウンテン状態。広いんだから安全な場所を選ぼうよー。

 

 

終わると夫は早速ガンガで沐浴をすると言う。夜明け前だよ。水、冷たいよ?色んなお供物が水に混ざってるし?とボヤいてみても夫は既に聞いておらず、パンディットのブースに服を脱ぎ捨て再び歩いて行ってしまう。

 

慌てて着いて行く私。夫はまた一番混んでいるガートからガンガに飛び込み、ザブンザブンと3回もぐって終了。濡れた子猫のようにブルブル震えながら戻って来た。

 

「冷たい!!。。僕のタオルは?」

 

自分で持って来ましょうよ!子供じゃないんだから。

 

寒そ〜!💦

 

 

夫は(どうして持ってこないの)という顔をして、ズブ濡れつま先立ちでパンディットのブースに走り去る。いや、マジでそういうのやめてくれ。持って来ようにも既に話も通じなかったじゃん。

 

ブルブル震えながら着替える夫をかわいそうに思うけど、良い薬だとも思う。誰に見てもらわなくても念願を叶えて沐浴をして、誰に手伝ってもらわなくても身支度くらい出来ないと、誰のための人生よ?(ってその時は思ったけど、相当寒かったので無理もない)

 

 

結局私は、お供物を流す時にガンガを手ですくって額に付けるだけで沐浴はナシ。次はリシケシ。オジさまオバさまで激混みしていないガート、何も混ざっていない水と自然のビーチが待っている。

 

 

お世話になったパンディットにご祈祷代を渡そうとすると、まだちょっとプリプリしている夫が代金を値切ろうとしている。たった150ルピーだよ?不機嫌を他人に八つ当たってない?祈祷もお供物もフルセットで2種類だよ?服も脱ぎ散らかして迷惑かけたのに。

 

 

色んな物に行ってらっしゃーいと流すところ。

 

 

夫は表面的な値段で物事の価値を判断してしまう。逆だよって私は思うけど。相手から十分に受け取って満足した分の対価を、感謝の気持ちで手渡すことを知らない。What goes around comes around って諺の通り。

 

 

聖職者とお代のことで言い合っているのが見ていられず、夫を無理に止めることも出来ないので、私はカバンからおやつに買ってあったムングダルとスプライトをパンディットに渡した。その後は100ルピーを手渡した夫と雑談しながら笑い合っていたので、まぁ丸く収まったのだろう。一大聖地で、たったの150ルピーよ?大丈夫か、夫?笑

 

 

このところ月末になると仕事のプレッシャーに追い詰められがちな夫。売上げノルマを達成しないとインセンティブが付かないパソコン店なので、(あと4台売らなきゃ。。!)というストレスに見舞われるらしい。正直月給だけではやれないからね。本当、頑張ってくれてる。

 

 

私が仕事をするから大丈夫と言っても、ここでは女性が家計を支えるという概念がないのだ。早く安心させてあげたいところ。

 

ガート沿いのお店では、ガンガの水を入れるための大小ボトルも売られている。10ルピー〜。

 

 

さて少し機嫌が直ったところで、ガートを後にする。預けた靴を取りに戻ると、夫から預かってポケットに入れていたはずの番号トークンがない!プージャと沐浴のワチャワチャで落としたらしい。。夫が(ほら見たことか)って顔で見てる。トークン代20ルピーと共にオジさんに謝って靴を受け取る。難易度高めのハリドワール。これは絶対一人じゃ来れない。機嫌の悪い夫でもいないよりマシ。。?

 

 

帰りはガートから一本入ったマーケットの通りを少し歩いてみる。相当古くて豪華な作りのホテルが立ち並び、歴史的に賑わって来た街の背景が伺える。今はちょっと廃墟チックだった。

 

 

歩きながら話してみると、あの激混みのハリキパウリー・ガートは、夫の亡くなったお父さんの遺骨を散骨したまさにその場所なのだと言う。だからもの凄い勢いで私を置いて突進して行ったの?笑。

 

 

どんなに普段お気楽を装っていても、夫はどこまでも長男の仕事を背負っているんだなぁと、突き動かされるような様子と見ると感じるところ。インド占星図で見ても、亡きお父さんから役割を引き継ぐ相なのだ。6人姉弟なのにねー。

 

 

古い造りの建物が軒を連ねるガンガ沿いのマーケット。
 

 

それにしても、普段は不要に言い返したり私を見下すことなど一切しない夫が、プリプリ怒ったりイライラしたり。私も負けるタイプではないので倍返しで忙しい。面倒くさい。でも沐浴の後だし、感情が乱されるような、抑えて来たものが浮上して浄化されるような感覚があるのかもしれない。

 

 

私は人工的にライトアップされたガンジス川には感動しなかったけど、夫にとっては色々な思い入れがあるのだろう。夫の唯一の味方だった大好きな伯母さんも、夫が村からここに運んで散骨したんだもんね。

 

 

バスターミナル前に戻って路上のパランタ屋さんで朝食。最初ダバ(食堂)に入ったけど、屋根があっても何だか気の悪い店もあり退散。路上でも回転が良くてピカピカ新鮮に光って見える店は美味しいし、自分で見定めた店では今まで一度も当たった事がないのだ。

 

決めるまで8割型の店をスルーするので、せっかちな夫がイラっとするけどね。てか腹痛になるのいつも夫が選ぶ店だから!(あ、私もイライラ?)

 

 

と言うことで、イライラ、ワチャワチャのハリドワールから再びバスに乗り、1時間ほど上流のリシケーシへ出発。朝日が昇り始めていた。

 

 

立ち並ぶ無数のテント群。こんな広大なテント・グラウンドが何箇所もある。来月どんなことになるの?