夫の叔母の法要で、先週は夫の実家の村へ。
いつもながらキャンプへ赴く気分だ。水や薪を運んだり、焚火やかまどで火を焚いたり。山道も険しく川も流れるワイルドな場所。
パンディットと呼ばれるお坊さんと、長男である夫によるお祈りの儀式の後、外で炊き出しした食事を、集まった300人ほどに振る舞った。
準備を含む4日間の仕事を終え、みんなやたら声の大きい義実家から帰って来たら、すっかり気が抜けている。笑
インドの田舎で思うのは、私が今までかなりの幸運に恵まれて来たということ。良識ある社会で優しい人々に助けられ、頑張れば報われてきた。
でもインドの田舎は、別世界だ。相手にデリカシーのある言動や、品性知性は望めず、既知のやり方は通じない。新しい技を覚えて自分を守る必要がある。
今回もまた、ツワモノが揃っていた村の日々。まずはいつもの義姉夫婦①。弟である夫への不信感が半端なく、せっかく集った親戚の前で夫をボロクソに言う。
でも、そもそも義兄①が夫を悪く言うのは、心配性過ぎるお義母さんが、義兄に電話で色々言い過ぎてるせい。
「私はどうしたらいいの。長男は家に帰って来ないし、何も払ってくれない」と、嘘を流している。年長者の姉夫婦に、(あなたたちだけが頼りよ)とでも言うように。
そう言われると悪い気はしないのか、俺がガツンと言ってやらないととでも思うのか。
わざわざ大勢の前で夫を否定する。この法事の費用を夫と私たちが払ったこと、お義母さんは感謝どころか不自然に隠している。言ったら義姉夫婦にお金が借りれなくなるから?
事実など、あってないようなもの。
厳しい環境の元では、こうも必死で人をコントロールしようとしたり、事実をねじ曲げたり。どこまで悪循環が続くのか。
家が滅びるまでかなー。笑
甘ったれた先進国でヌクヌク生きてきた私には、何も言う資格なんてないけれど。でもまだ変わることの出来る若い世代には、違う選択肢が存在していることだけは、伝えたいと思う。
インドの実家の黒いカルマが見えてきた。初めて敷居をまたいでから、まだ10か月。笑
村のおばさまたちも大勢訪れた。集まれば何故か私が話題の中心に。着ているものを全部触って吟味して、付けているアクセサリーや髪型を揶揄して盛り上がる。
面倒くさいので、触られたら触り返し、聞かれたら聞き返し、ディスられたら「あなたがもっと良いのを買って私にプレゼントして下さいな」と言うと皆、困ってようやく黙ったけど。笑
アレも出た。「あなたのムンヌ(男児)が見たいわ」BBA。しつこい・声デカい・ちょっと面白いの三拍子でなかなか手強い。
先日夜中にお義母さんが倒れた時に介抱してくれた叔母さんなので、失礼は出来ない。でもあまりにずーっと同じ質問「いつムンヌ作るの?どうして出来ないの?どうして早く作らないの?どうして...」をループするので、
知りませーん。と言ってその場を離れたら、皆どっと笑っていた。それで義姉③に「あの叔母さん、ずっとムンヌムンヌってうるさいんだけど」と助けを求めたけど、いざとなっても人前で言い返したり助けたりはしてくれない。
子供を産む気力も体力も、本気で無い。
腺筋症で子宮全摘も考えてるのだ。
そう言っても義母は「医者の言うことなんて当てにならない」と、ついに専門家を否定した。笑
ムンヌ叔母さん。悪気は全然なく、むしろ愉快な人なのがまた困る。
食事会の次の日は、ご神木と山の神さまへの参拝の日。朝から前日の片付けで手一杯だ。で、みんなで作業する中、義弟のサンニだけ姿が見えない。家族で集まって彼の来年の結婚式の会議をしてる時も、何故かトイレに籠もっていた。
完全に逃げてる!笑
いつものことでも、今回は目に余ってしまった。というのもこの前日、珍しくまともに口をきいたと思ったら「義姉さん、僕の結婚式の日程が決まったから、よろしくね」と。よろしく頼まれたからには、そうするしかない。笑
「ちょっと今、何やってるの?」と言うと、「僕はいつでもフリータイムだよ」とふざけた回答。目も合わせない。
「フリータイムって、みんな働いてるの見えないの?」すると「テンション(テンパるの)はやめてよね。後でやるからさ」
。。。は?
「後でって、いつ?みんな今やってる。さっきもアナタの式の話をしてたのに、もうみんな帰っちゃったよね?自分の式でしょう?後でじゃ遅いよ。今、身体を動かして働きなさい。そしたら結婚式もちゃんと出来るから。」
まだ、テンションはなしだよーと言ってるサンニに、お義母さんが申し訳なさそうに弁解しにきた。それを見て更に、こりゃマズいという危機感を感じる。
「どうするのあなた?誰か(義母)がやってくれるのを当てにしないで、自分から動きなさい。この家にパパはもういないんだよね?」
ふと言い過ぎたと思ったけど、今度は隣でお義母さん「そうよ、パパはいないのよ」と頷いている。
「あなたのお兄さん(私の夫)は何も言わないから、言わせてもらったからね。結婚して幸せになって、いつかお義母さんも楽させたいと思うなら、今一つでも仕事して。」
言い終えると、途中から真剣に話を聞いていようで、素直に台所の食器の山を洗い始めた。黙々と。
サンニは、長男の夫と比べると放ったらかしにされてる。責任も殆ど与えられず、頼りにされてない。未だ安定した職にもつけず、自信もないのにカッコつけてばかり。暇な田舎で悪友の誘惑も多いだろう。
でも、それでは勿体ない。
これからまだ、どんどん変われるのだから。
一部始終を、台所で祈祷用のお供えを作りながら聞いていた夫。何も言わなかった。彼自身も、必死に変わろうとしている。貧しさとか、責任の押し付け合いとか、将来の不安とか、そんなものに振り回されるのは私は嫌だ。
家から200メートル位の道路脇のご神木に、夫と2人で祈祷をした。来年の小麦やとうもろこしの豊作と、家族の安寧を祈る。快晴の朝、木陰に座して祈る時間は平和だった。
義弟の将来が心配でお説教するとか、私も、やってる事は義兄と同じ笑。言ったことの責任は取ろうと思う。
その後、家族で義従兄の家へ。チャイを頂いて世間話。しばらくすると、義従姉に家の中の祭壇の前に招き入れられた。何故か急にドゥパタで顔を隠した義従姉が祭壇の前に座り、これから何かの儀式が始まるらしかった。
長くなったので、続きは次回。
色々あるけど、元気です。