宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ) -48ページ目

宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

70年代や、あの時代に輝いていたアレやコレや。
クリエイティブディレクターが語る、「思い出のエッセイ」です。

$昭和を話そう、BOSSのブログ。-夏の夜のサンバ

1973年、伝説の人気番組「うわさのチャンネル!」が日テレ系で放送されると、ゴッド姉ちゃんの人気はうなぎ登り。デストロイヤーやせんだみつおを相手に暴れまくる様子は、バラエティ番組の歴史を変えたと言ってもいいだろう。関根勤やタモリを人気者に、もっと言えばマギーミネンコや木の葉のこ、チャダなんていうスターも排出していったほど、爆発的な勢いだった。と同時に和田アキ子の存在なくして、あの番組は語れない。そのせいか、今でも芸能界のドンとして君臨しているイメージが強いけれど、70年代にはたくさんのヒット曲も放っていた。1972年、12曲目のシングルが、写真のレコジャケ「夏の夜のサンバ」だ。名曲「あの鐘を鳴らすのはあなた」の次にリリースした曲なのに、意外と知られていない。♪アー ギラギラ太陽が沈んだら、男と女はハッシッシ・・♪と、サンバのリズムで真夏を歌う和田アキ子の迫力に、当時は圧倒された。18曲目の「古い日記」もパンチの効いた名曲で、78年の「コーラスガール」もいい。CMばかりに出演せず、もう一度あの頃の名曲を聴かせて欲しい。ひと夏限りのゴッド姉ちゃんライブか何かで、ぜひ。

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$昭和を話そう、BOSSのブログ。-サード・レディ

ガンバレ、桑名正博 ! 拳を握りしめていたら、あの頃の記憶が甦る。東のキャロル、西のファニカン(ファニーカンパニー)とまで言われた関西のロックバンドを経て、1975年にソロデビュー。私はキャロル(矢沢永吉)派だったけれど、77年の「哀愁トゥナイト」を聴いた瞬間、鳥肌がたったのをはっきりと憶えている。それほど、衝撃的な存在だった。歌というよりも、その灼けた声にまずシビレた。曲調は歌謡曲とロックの中間、筒美京平&松本隆のタッグで当時の歌謡界に殴り込みをかけたのだろう。アイドル路線に翳りが見え始めた歌謡界に、桑名正博は大人の魅力を輝かせた。78年には写真のレコジャケ「サード・レディ」がヒット。ディスコサウンドという時代のムーブメントの中で、すべての華麗さをあの頃の桑名正博は身につけていた。「大人の歌はこう歌うのだ」と言わんばかりに、切なく響くバラードは、今でもファンが多い。「サード・レディ」に ♪ これが3度目の正直、I Love You ! ♪という歌詞がある。何よりも、その正直な生き方が好きだ。どうか、復活して欲しい。

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$昭和を話そう、BOSSのブログ。-ジロがゆく

梅雨も明けたので、今回のマンガシリーズはこれがトリ。「ジロがゆく」は、1969年から少年マガジンに連載されたマンガだけれど、意外と知らない人も多い。70年代のマンガ界を疾風の如く駆け抜けたマンガ家、真崎・守(まさき・もり)の名作と言っても過言ではない。今でこそ、多彩な構図や背景や、様々な手法がマンガにも駆使されているけれど、あの時代にこれほど斬新なコマ割を考えたマンガ家を私は知らない。原作もさることながら、真崎・守の演出家としてのセンスが好きで、この「ジロがゆく」を当時は貪るように読んでいた。第2回講談社出版文化賞マンガ部門受賞作。写真のサンコミックスの表紙を見ればわかるように、表現そのものが実に叙情的で、青春のシズル感が爆発して迫ってくるのである。同じ70年頃、「はみだし野郎の子守歌」も人気を博し、若者のバイブル的な一冊ともなったのだ。しかし、心にいちばん留まっているのは、真崎・守というネームである。苗字と名前の間にある・の新しさだった。本人、あるいは編集者の、単純な発想だったのかもしれないけれど、その・が文学的なセンスに見えて、どっぷりと心酔してしまったのもウソじゃ、ない。

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