宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ) -45ページ目

宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

70年代や、あの時代に輝いていたアレやコレや。
クリエイティブディレクターが語る、「思い出のエッセイ」です。

$昭和を話そう、BOSSのブログ。-ハヤタ

先日、東京都現代美術館で開催していた「特撮博物館」に行った。昭和の匂いがプンプンする中で、特撮の知恵と技術に感動した。だから、ではないけれど、今回からしばらくは昭和の特撮シリーズ。第1回はやはりウルトラマンの登場だ。1966年7月の日曜夜7時に、その瞬間はやって来た。科学特捜隊、宇宙怪獣、ベーターカプセル、カラータイマー・・聞いたこともない言葉の連続攻撃に、私はテレビの前で唖然としたままだった。そして、いちばんの衝撃はハヤタ隊員がウルトラマンに変身する瞬間。「ウルトラ作戦第一号」と題された初回のタイトルとともに、ハッキリと脳裏に刻まれている。ただ、その頃のわが家のテレビはまだシロクロだったので、カラータイマーの輝きが何色だったのかは知らなかった。「カラー放送」という言葉が頭から離れず、親戚の家で初めてカラー放送を観た時は、その家に生まれたかったと心底思った程だった。マンガでは、一峰大二が月刊ぼくらに連載していたけれど、それとは別に少年マガジンでは楳図かずおが描いていた。テレビとは違い、楳図マンガの怪獣たちはやっぱりかなり怖かった。

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$昭和を話そう、BOSSのブログ。-マーク・レスター

1971年、映画「小さな恋のメロディ」の大ヒットで、イギリスの少年は一躍世界のトップスターになった。その名はマーク・レスター。もちろん、日本でもご覧の通り、数々の広告に出演した程の超人気ぶりだった。栗田ひろみ主演「放課後」という映画のカップリング(併映)で、「卒業旅行」という東宝映画にも出演したけれど、やっぱりマーク・レスターと言えば「小さな恋のメロディ」しかない。ストーリーは、小学生同士が結婚式を挙げるという鮮烈な内容だった。そこだけを聞くと無茶に思えるけれど、メロディ役の少女トレイシー・ハイドの美しさは十分にそのストーリーを納得させた。そこで、ふと思い出す。あの頃は何故かそんなストーリーが多かった。岡崎友紀主演のドラマ「奥さまは18歳」もそうだったし、赤塚不二夫の「ぶッかれ*ダン」なんていうマンガも小学生の二人が結婚しているというお話。どれも、だいたい70年頃の作品なので、真似というよりは同時発生的なアイディアだったのだろう。未来が輝いて見えた時代だから、みんなが結婚に憧れたのかもしれない。恋の未来になけなしの勇気で向かっていくことがステキな時代は、もう来ないのだろうか・・・。

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$昭和を話そう、BOSSのブログ。-栗田ひろみ

1972年、大島渚の「夏の妹」という映画に大抜擢。翌73年「放課後」「ときめき」と、たて続けに映画出演し、栗田ひろみの人気は爆発した。写真のレコジャケは、丁度その頃にリリースされた一曲なのだ。どこにでもいそうな少女なのに、何を考えているのかわからない・・そんな危なげな10代の香りを栗田ひろみは持っていた。いや、振り返ってみると、あの頃の少女タレントはみんな同質の香りを持っていたような気がする。映画「恋は緑の風の中」の原田美枝子や「青春の門」の大竹しのぶ、「阿寒に果つ」の五十嵐じゅん、「愛と誠」の早乙女愛さえも、アンニュイそうでどこか危うい、そしてしたたかな女性を演じていた。可愛いだけのアイドルに飽きてきた男たちが、新しいタイプの女性を求めた結果、自然とそんなアイドルが誕生したのかもしれない。今で言えば、不思議キャラ。♪オレンジさっくり噛んだとき 風が小さなクシャミした・・♪という「太陽のくちづけ」の歌詞に中にも、不思議な感じは充満している。歌手として栗田ひろみがあまり売れなかった理由はわからないけれど、音程さえも危うかったからだろうか・・。それでも、私は買っていた。

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