宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ) -44ページ目

宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

70年代や、あの時代に輝いていたアレやコレや。
クリエイティブディレクターが語る、「思い出のエッセイ」です。

$昭和を話そう、BOSSのブログ。-ロボ

特撮シリーズ第4弾は、鉄の正義の巨神、ジャイアントロボの登場だ。テレ朝系で放送が開始されたのは、1967年10月。ウルトラマンやセブン、マグマ大使など巨大ヒーローブームの中、満を持して横山作品も実写化に成功したのである。マンガでは、少年サンデーにやはり67年から連載。秘密結社「ビッグファイア団」の目論む世界征服を阻止するために立ち上がった、というストーリーは同じだけれど、TVに出てきた謎の宇宙人「ギロチン帝王」はマンガには登場しなかった。あの、ヒゲを生やしたタコのような気持ち悪い帝王がいたからこそ、悪VS正義の対立が明確で、子供たちもロボに声援を贈れたのかもしれない。しかし、ウルトラマンの様に地球を愛する異星人でもなければ、マグマ大使の様なロケット人間でもない。ジャイアントロボはあくまでもロボットだというところが、横山光輝のお家芸である。横山光輝と言えば、鉄人28号が代表作であるけれど、リモコンが敵に渡ると大変なコトになったため、ロボは草間大作少年の命令だけを聞くように作られていた。なのに最終回、大作少年の声に従わず、ロボは地球のために宇宙に砕け散った。その姿に全国の少年少女は感動。もちろん、私が号泣していたことは言うまでもないだろう。

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$昭和を話そう、BOSSのブログ。-デビルマン

1972年、少年マガジンの連載とほぼ同時にデビルマンはテレ朝系でアニメ化された。地球の先住民族デーモン「悪魔」の復活という設定や一見恐ろしい姿の存在感は、これまでにないまさに新しいヒーローの誕生だった。ただ、マンガとアニメのストーリーはかなり違っていて、私なんかはマンガの方に深く入り込んでいた。♪あれは誰だ、誰だ、誰だ あれはデビル、デビルマン♪ の主題歌で知られるアニメの方はもっと話がシンプルで、子供向けだったのかもしれない。それでも、土曜の夜8時半放送というのは当時のアニメとしては特異な時間帯だった。「悪魔」の登場ということで、時間帯を少し遅くしたのだろうか・・。どちらにしても、デビルマンにはやはり夜が似合う。それも、月の明かりが映えるような暗黒の夜が。主人公「不動 明」という名前からして、どこかそんなニヒリズムを感じるから不思議だ。不動 明は、たぶん「不動明王」からとっているのだろうけれど、ストーリーの細部に至る空想の数々が少年少女の心を躍らせた。特撮としては、誕生から約30年後の2004年に映画で実写化されている。その出来は??? 各人の判断に任せたい。

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$昭和を話そう、BOSSのブログ。-エレキング

特撮シリーズ第2弾は、1967年放送のウルトラセブンから。写真の怪獣は、第3話「湖のひみつ」に登場したエレキングなのだ。ストーリーの中では地球侵略を狙うピット星人が操る宇宙怪獣なのだけれど、どこか愛嬌があって、現在でも男女を問わずなかなかの人気者なのである。そもそも、エレキングという名前がステキだ。作者は、67年当時に流行っていたエレキブーム(エレキギター)を意識したのかもしれない。「キング」という名称を付けた怪獣は、キングギドラやキングコング、レッドキングにキングジョー・・と、大抵は強さと威厳を誇示するはずが、エレキングはクルクル回るレーダーみたいな角や、シロクロのブチのデザインがなんともオシャレに見えるから不思議だ。ウルトラセブンとの戦いではエメリウム光線で自慢のエレキンレーダー(クルクル回る角)が破壊され、あげくにアイスラッガーで切断されて倒されてしまう。キングという名を持ちながら、威張らず愛され続けるエレキングに、人間もちょっと見倣ってはどうか。ウルトラセブンという空想科学ドラマは、そういう見方も出来るからまた、面白いのだ。

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