本気と冗談の間で、いつも歌っている、吉幾三。 | 宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

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70年代や、あの時代に輝いていたアレやコレや。
クリエイティブディレクターが語る、「思い出のエッセイ」です。

山岡英二

先月かな、フジテレビ系の「ダウンタウンなう 本音でハシゴ酒」に吉幾三が出演していた。そろそろ現役を辞めたいなんて言っていたので、面白がって観ていたら、どうやらそれは冗談だったようだ。そこでふと、こんな1枚のレコードを思い出した。1973年、まだ彼がアイドル歌手を目指していた頃の曲で、「恋人は君ひとり」。確か、ヤンマーのCMソングだったと記憶しているけれど、なんだかカッコいい。スラリとしていて、爽やかで、今の吉幾三を思うと別人にさえ見えてくる。当時、CMで聴いた私はどういうワケが気に入ってレコード店でこの曲を探した。店の人に「ヤンマーの歌なんです」と言っても、わからない。必死で歌ってみても全然伝わらず、仕方なく帰ろうとした時、「新人かもなあ・・」と店長の声。新人コーナーの端に「山岡英二」という歌手のレコードがあって、かけてもらうとこれだ!! と、この1枚に辿り着いた。ただこの曲も、アイドルとしてもさっぱり売れなかったようで、もうすっかり忘れかけていた頃「俺はぜったい!プレスリー」というコミックソングで77年にブレーク、84年にはさらに「俺ら東京さ行ぐだ」をビッグヒットさせた。諦めずに挑戦したことが、きっと結果につながったのだ。でなければ、「よし! いくぞう!」なんて、決意を込めた名に改名はしなかっただろう。紅白16回出場歌手、吉幾三。あの頃、もしアイドルで成功していたら、もうとっくの昔に消えていたかもしれない。

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