「大魔神」に本気で震えた。あの特撮から、半世紀。 | 宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

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70年代や、あの時代に輝いていたアレやコレや。
クリエイティブディレクターが語る、「思い出のエッセイ」です。

大魔神

来年は「ウルトラマン」誕生から50年。日本が生んだヒーローの50周年を祝って、いろんな所でイベントが開催されるだろう。と同時に、写真の映画もまた半世紀を迎える。1966年の4月、それは大映が放った特撮時代劇「大魔神」なのである。当時、大人気だったガメラを観たくて映画館に連れて行ってもらった私は、同時上映だった「大魔神」の迫力に腰が抜けてしまった。それほど、恐ろしかったのだ。山奥に祀られていたハニワ顔の武人像が、少女の祈りによって一瞬で変貌する。その緑色した形相があまりに恐怖で、「ガメラ対バルゴン」を観た興奮もどっかに飛んでいってしまったほどに・・。子ども向けだったはずのガメラシリーズにどうして「大魔神」を併映したのか、大映のその発想には舌を巻いた。ただ、その人気は沸騰し、同年8月には「大魔神怒る」を、12月には「大魔神逆襲」を立て続けに上映した。66年(昭和41年)という年だけに、3本の大作を残した「大魔神」。この巨神こそ、50周年を祝うにふさわしいと思うのは私だけだろうか? 怪獣ではなく、人の姿をした巨大特撮物は、これをキッカケとしてウルトラマンをはじめ次々と映画やTVに登場する。大魔神にしても、ウルトラマンにしても、実に本気で作られている。子ども目線にも、真剣に挑む発想と知恵。おそらくその魂が、特撮ヒーローを成長させたに違いない。来年は、そういう意味での50周年だと、私は思う。

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