野口五郎の「針葉樹」を歌うたび、私の心はちょっと寒い。 | 宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

70年代や、あの時代に輝いていたアレやコレや。
クリエイティブディレクターが語る、「思い出のエッセイ」です。

針葉樹

カラオケに行くと、ある後輩から必ず歌って欲しいと言われる曲がある。それが写真のレコジャケ、野口五郎の「針葉樹」なのだ。子供の頃に兄が買ったそのレコードを一緒に聴いていた、兄弟の深い思い出なのだと言う。理由はわかる。わかるけれど、この曲を歌うのはツライ。野口五郎の曲の中でも、暗くて寂しくて、そのうえ難しい。「私鉄沿線」の大ヒットで歌謡界でも不動の地位を築き上げていた野口五郎の1976年、21枚目のシングルがこの曲である。ただし、素人が歌うなら「私鉄沿線」や「甘い生活」の方がイメージも湧くのだけれど、「針葉樹」はタイトルからしてまずピンと来ない。そもそも針葉樹って松とか杉とかの葉が針のように尖った樹木の総称であって、ポップスにつながるような言葉だと思えないのは私だけだろうか。♪ 冬が来てもあなたよ枯れるな 木枯らしに耐える針葉樹のりりしさのように・・ ♪という歌詞も、なんか寒過ぎる。野口五郎の出身は岐阜県。杉の木が多いことでも有名な県、ということで針葉樹なのか・・。そのあたりのことは定かではないけれど、花粉症の私にはいろんな意味で「針葉樹」はちょっとツライのである。後輩よ、そろそろカラオケは勘弁してくれないかなあ。

人気ブログランキングへ