
前回のブログでツナギの話を書いていたら、ふと思い出した。白いツナギが日本一似合うのは、早川 光だと・・。1975年から週刊少年チャンピオンに連載されたマンガ「750ライダー」の主人公である。75年と言えば、バイクはまだまだやんちゃな乗り物だった。そんな時代に呼応してか、連載当初はストーリーも少しやさぐれた内容で、通う学校名も「竜堂学園」。その頃ツッパリで人気だった宇崎竜童をヒントにしたと思えなくもない。ただ、それが次第にさわやかな青春マンガに移行してゆくところが、石井いさみの上手さなのだ。その上手さの極みが、久美子という名の学級委員長の存在にある。美人で優等生の委員長、なのにいつもちょっとワルの主人公に味方する。それはほのかな恋心なのか。「花の高校2年生だもん・・」というセリフも自分自身と重なって、今でもページをめくるとあの頃の風がそよぐような気がする。委員長に苗字がなかったのは、読者ひとり一人が好きな誰かを想定すればいいと、きっと作者が思ったからに違いない。当時はまだ、原付の免許しか持ってなかった私は、ホンダのCB750 FOURにまたがる主人公に憧れた。そして、委員長に好かれる、早川 光のような男になりたいと、本気で思ったものだ。
