
いよいよ12月3日、日本武道館でザ・タイガース44ぶりの復活コンサートが始まる。東京だけでなく、大阪や札幌でも開催されると聞くと団塊の世代あたりはゾクゾクするに違いない。近頃の音楽はよくわからない・・などとお嘆きの貴兄にはこうした往年のサウンドの復活こそ、朗報なのである。団塊世代ではないけれど、かく言う私もその一人。GS(グループサウンズの略)で言えば、ザ・テンプターズのファンだった。中でもデビューから3曲目、1968年にヒットした「エメラルドの伝説」は忘れられない。写真のポスターはそのレコードの中に入っていた1枚で、ボーカルのショーケンが当時まだ中性的だったことがよくわかる。5曲目の「純愛」も好きだった。振り返ると、どちらの曲も作詞はなかにし礼で、埼玉のローリングストーンズと呼ばれた彼らの自作ではなかったようだ。つまり、ロックというより、私はやっぱり歌謡曲のファンだったんだと、改めて思うのである。しかし、不思議だ。こんなにも幼いイメージのショーケンが、わずか7年後には実に男っぽく、ドラマ「傷だらけの天使」の主役に躍り出る。この落差、この裏切りこそ、たぶんショーケンの魅力なのだろう。まだまだ裏切って欲しい。新しいショーケン、いや萩原健一に逢いたいと思うのは私だけだろうか。
