雨に濡れながら、アイドル時代の幕開けを考えてみる。 | 宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

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70年代や、あの時代に輝いていたアレやコレや。
クリエイティブディレクターが語る、「思い出のエッセイ」です。

$昭和を話そう、BOSSのブログ。-三善英史

この季節になると、つい口ずさんでしまう歌がある。♪雨に濡れながら たたずむ人がいる・・♪という三善英史のデビュー曲、「雨」。と言われても、もはや記憶には薄い。それなのに、なぜそんなに憶えているのかと言うと、この曲が流行った1972年は歌謡界の激動期。新人賞は三善英史の他、のちに中3トリオを結成する森昌子、モデル出身の麻丘めぐみ、そして郷ひろみ。さらに、大衆賞という新ジャンルまで誕生させたほどのトップアイドル、天地真理の「ひとりじゃないの」は空前の大ヒット。レコード大賞も、ゲバ票では当時まだアイドルの香りを残していた小柳ルミ子の「瀬戸の花嫁」だった。時期が早かったのか、逆転負けはしたものの、歌謡界が少しずつアイドル化し始めたのが、72年という年。つまり、この年がアイドル時代の幕開けだったのだ。翌年の73年には、ついに歌が超ヘタでもレコード大賞にノミネートという現実が現れる。ビッグアイドル、浅田美代子の登場だった。この73年には中3トリオの二人目、桜田淳子もデビュー。アイドル化の波は、TVを通してグングン迫ってきたのだ。ちなみに、写真のレコジャケは73年の三善英史のヒット曲で、「円山・花町・母の町」。アイドルになりそこねたのか、三善英史はおそらくこの曲を最後にTVからも影をひそめた。雨に濡れながら、その時代にたたずみつづけたのかも、しれない・・。

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