あの麻丘めぐみさえ、謎に包まれた昭和の広告。 | 宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

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70年代や、あの時代に輝いていたアレやコレや。
クリエイティブディレクターが語る、「思い出のエッセイ」です。

$昭和を話そう、BOSSのブログ。-麻丘めぐみ

1972年、「芽ばえ」でデビュー。ちょっと鼻にかかった歌声とお姫様カットで一躍脚光を浴びたアイドルと言えば・・ ? なんて、クイズにもならない。その年の最優秀新人賞を受賞した、麻丘めぐみである。けれど、写真の広告に登場している麻丘めぐみは一体何をPRしているのだろう? 答えは、「アンドロメダの石」なのだ。時代のトップアイドルが出演する広告にしては、地味過ぎる。と言うよりも、完全にうさん臭い商品なのである。今思えば不思議だけれど、昭和のこの時代にはこんな商品があふれていた。「人の心を映す鏡」とか「未来を透視できるメガネ」とか、当時のマンガ雑誌にはそんな広告がたくさん掲載され、思春期の心を釘付けにしていた・・。73年、「わたしの彼は左きき」の大ヒットによって、左きき用品が飛ぶように売れたという実績もあってか、この摩訶不思議な商品に麻丘めぐみが起用されたのかもしれない。「ふたりの愛と幸せを運ぶ、魔力の石」というコピーが、なんとも不気味だ。アイドルの恥ずかしい過去は、恥ずかしい昭和でもある。「あなたも10センチ背が伸びる」という広告を思い出すたび、なぜか切なくなるのは私だけではないだろう。

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