
子供の頃、キャラメルはお菓子のスターだった。チョコがダントツの横綱だとすると、キャラメルはちょうど大関あたり。西の大関グリコか東の大関森永かと迷いながらも、オマケ欲しさに大抵はグリコを買っていたけれど、それでも時々「森永ミルクキャラメル」が欲しくなる。理由はやっぱり、当時のCMが影響していた。1965年、TBS系で放送されていた「宇宙少年ソラン」が森永製菓の一社提供だったのだ。このアニメから流れるCMで森永のキャラメルやチョコボールの存在も知った。当時、鉄人28号のファンだった私は、グリコ一筋と決めていたにもかかわらず、ソランの魅力に敗けて、時折「森永派」に代わってしまうのだった。♪ソラン、ソラン、ソラン、遥かな宇宙から、ソラン、ソラン、ソラン 虹を超えてやってきた・・♪ 主題歌は、あの安井かずみの作詞。どこか壮大で、それでいて愛くるしいソランという名前とこの曲が好きだった。相棒は、宇宙リスのチャッピー。今でも、リスを見るとソランを思い出し、ソランを思うと森永につながる。そういう、企業と番組と夢のつながりがたくさんあったあの頃。世の中はまだまだ貧しかったけれど、イメージする力だけは、豊かだったのかもしれない。
