白いごはんの湯気のむこうに、エイトマンが立っていた。 | 宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

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70年代や、あの時代に輝いていたアレやコレや。
クリエイティブディレクターが語る、「思い出のエッセイ」です。

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白いごはんと言えば、ふりかけ。あの頃はそう決まっていた。それも、「のりたま」でなくてはならなかった。♪のり~たま、シャッシャカ シャッシャカかけよ・・♪ というCMソングを憶えている人なら、その思いはわかるだろう。「のりたま」にこだわった理由はもうひとつ。写真の、弾丸(タマ)よりも速いエイトマンの影響だった。1963年、TBS系でアニメ化。洗練された都会的なヒーローに夢中になるのと同時に、そのスポンサーだった丸美屋の「のりたま」にも夢中になった。あの頃のヒーローを大別すると、鉄人28号派と鉄腕アトム派、そしてエイトマン派。中でも、エイトマンのスタイリッシュさは群を抜いていて、ベルトのバックルに潜ませたタバコ型の「電子頭脳強化剤」を吸うシーンは、なんともダンディだった。そんなエイトマンとふりかけ、というミスマッチにも動じず、私たちは「のりたま」を食べてエイトマンのように強くなると信じて疑わなかったのだ。エイトマンの本名は東八郎だったけれど、それでもエイトマンはカッコよくて、♪あったかいご飯にかけたのりたま こんなうまいもん滅多ないよ♪と大声で歌いながら、白いごはんを食べ続けた。のりたま、当時50円。それは、特別な昭和の味がした。

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