
新春第一弾の昭和エッセイは、南の太陽とともに・・。今でこそ沖縄出身のアイドルは多いけれど、その先駆者と言えばすぐにその名が浮かんでくる。1971年、「17才」でデビューを飾った、南沙織だ。「潮風のメロディ」「ともだち」と続いて4曲目、写真のレコジャケは72年の「純潔」。♪変わるのよ 愛された時 その時がはじめての恋・・・女の子は 夢の中で 明日も生きてゆくのよ♪ という歌詞に、新しい女の子のイメージを胸に刻んだ。南沙織の功績は、もちろん南国沖縄からの道を拓いたということもあるけれど、その太陽のような存在感にあった。それまでのアイドルの条件を覆すような、陽に灼けた素肌と真っ白な歯。美人とは、色白でしとやかな、という定説を大きく大きく変えた所だろう。71年の新人賞レースではライバルの小柳ルミ子と争い、わずかに最優秀新人賞には手が届かなかった。だけど、その褐色の笑顔は、誰よりも最優秀の笑顔だった。時を経て引退し、「激写」の篠山紀信と結婚。TVに出演することはなくなったけれど、南沙織が登場した日の衝撃は、当時の若者たちの心のフイルムに激写されているに違いない。それは、太陽の功績とともに。
