
「少年ジャンプ」の挑戦が、新しいテーマとマンガ家の起用で成功したという話を以前のブログで紹介したけれど、今回もまたその代表。「昭和マンガ」の第6弾は、アニメでもお馴染みの「ど根性ガエル」だ。1970年から6年間も連載され、72年にはTV放映もされた。大人気のギャグマンガだったけれど、吉沢やすみというマンガ家の他の作品を私は知らない。逆に言うと、それほどまでに「ど根性ガエル」の存在感が大きかったのだろう。そもそも、カエルがシャツにくっついてしまうという発想は突飛過ぎて、話にならない。実写で想像したら、なんとも気色悪いし、恐ろしい。洗濯はどうすんのか? エサは? 糞尿の始末は? と難問が有りすぎて、いくらマンガと言えども少年ジャンプ以外では採用されなかったに違いない。誰が呼んだか「平面ガエル」という言葉も定着した。だから、当時のジャンプはスゴイ。本当なら、女性が嫌う両生類カエルが主役なのである。なのに、平面ガエルのピョン吉くんは女の子にモテモテ、ひろしのガールフレンドである京子ちゃんにキスまでされたりする。カエルにキス? もはや、カエルではない。京子ちゃんの本名は吉沢京子。連載当時の人気アイドルからとったらしい。あの吉沢京子を懐かしんで、もう一度読んでみるのもいいかもしれない。
