心をつなげば大人になれた、「バロム・1」。 | 宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

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70年代や、あの時代に輝いていたアレやコレや。
クリエイティブディレクターが語る、「思い出のエッセイ」です。

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♪超人、超人 ぼくらのバロムワン ♪ と、子供たちが歌っていたのは1972年。TVで放映された「超人バロム・1」の主題歌だ。けれど、その数年前に「バロム・1」は週刊ぼくらマガジンに連載されていたマンガだった。原作(作画)は「ゴルゴ13」のさいとうたかを。当時のぼくらマガジンには、少年マガジンと比肩するべく作品がズラリと並んでいた。桑田二郎の「デスハンター」や梶原一騎の「タイガーマスク」、永井豪の「ガクエン退屈男」等々、マンガ史に残る名作ばかり。少年マガジンと同じ講談社だっただけに、何かの基準で作品を区分けしていたのだろう。写真の「バロム・1」を見るとわかってもらえるけれど、TV版とは顔が違う。変身した顔が大人だったのだ。健太郎と猛という二人の子供がバロムクロスで変身すると、大人の男になるという所がマンガではポイントだったと私は思う。体格だけではなく、声も意志も判断力までもが大人に変わる。その、大人への成長願望というのが、きっと「バロム・1」のテーマだったに違いない。原作者さいとうたかをの、そんな意志とは別にTVは「バロム・1」を超人にしてしまった。子供の憧れだった大人を越えて、時代が超人を求めた結果だろう。それにしても、友情が変身のエネルギーという設定は子供心をついていた。70年代は、まだまだスキンシップが心の絆をつないでいたのだ。

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