夢と期待を背負って爆発した、1977年の郁恵ちゃん。 | 宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

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70年代や、あの時代に輝いていたアレやコレや。
クリエイティブディレクターが語る、「思い出のエッセイ」です。

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1977年の歌謡界は、新人爆発の年。最優秀新人賞はブッチギリで清水健太郎だったけれど、他の新人もその年を代表するようなヒット曲を飛ばしていた。「あずさ2号」の狩人、「硝子坂」の高田みづえ、「Lui-Lui」の太川陽介、そして写真のレコジャケ「アル・パシーノ+アラン・ドロン<あなた」の榊原郁恵。実はこのノミネート曲、榊原郁恵だけデビュー曲ではない。あのホリプロが満を持して開催した「ホリプロタレントスカウトキャラバン」の第1回優勝者だけに、どうしても新人賞を獲る必要があったけれど、パッとしなかった。人気もそこそこで、歌の方は3曲目までノーヒット。新人賞レースにはもう後がない10月の新曲、断末魔についにブレーク。榊原郁恵は、この曲で新人賞を獲得したのだ。デビューから4曲目にして、なんとかホリプロの面目が保たれたヒット曲。大手プロダクションの使命という十字架を背負っていた榊原郁恵は、翌78年のTVドラマ「ナッキーはつむじ風」で女優としても売れた。和田アキ子、森昌子、山口百恵に続くホリプロ看板スターの座についたことは、もはや言うまでもないだろう。そんな時代を思いながら改めてこの歌を聴くと、なんだかしんみりと、味わい深いから不思議だ。

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