
写真のレコジャケは1975年のヒット曲、中村雅俊の「俺たちの旅」。同名のドラマの主題歌である。大学生カースケ(中村雅俊)とオメダ(田中健)のほんわかした友情と、なんだかのんびりした、それでいて悩みの多い青春ドラマ。脚本家、鎌田敏夫の出世作でもあるが、日曜8時枠はこのあと「俺たちの朝」「俺たちの祭」とシリーズは続く。話を戻すと、こんな大学生活を送りたいと憧れた女性ファンは、かなり多かったようだけれど、個人的にはオメダの妹役(真弓)だった岡田奈々がいちばん好きだった。第22話『少女はせつなく恋を知るのです』でカースケに恋をする真弓が劇中で歌う「青春の坂道」は、可憐な少女にピッタリの曲だった。♪心がシュンとした日は昔ならキミがいて おどけては冗談で笑わせてくれた 青春は長い坂を登るようです♪と、失恋後に岡田奈々が歌うシーンは、当時、乙女心が書ける作詞家と言われた松本隆の詞とともに心がぐっと引き寄せられた。このドラマは、桃井かおりや檀ふみ、竹下景子、山口いづみ等、あの頃の人気女優がゲストとして肩を並べたのも凄かったけれど、主題歌とカップリングされたエンディング曲「ただお前がいい」の人気も凄かった。もしかすると、このドラマでいちばん売れたのは、作詞・作曲の小椋佳なのかもしれない。
