大人から子供まで、1972年のキングだった石橋正次。 | 宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

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70年代や、あの時代に輝いていたアレやコレや。
クリエイティブディレクターが語る、「思い出のエッセイ」です。

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ちあきなおみの「喝采」が、小柳ルミ子の「瀬戸の花嫁」に逆転勝ちして、日本レコード大賞に輝いた1972年。実は、この人の年だったと勝手に決めている歌手がもう一人いる。いや、俳優なのかもしれない。それが石橋正次だ。もともと70年に、映画「あしたのジョー」の矢吹丈役で脚光を浴びているから、今で言えばやまぴーに当たる。72年1月に「夜明けの停車場」が大ブレーク、写真のレコジャケ「鉄橋をわたると涙がはじまる」も続いて大ヒット、この年の紅白歌合戦にも出場している。それだけではもちろんない。72年に始まった学園ドラマ「飛び出せ!青春」の高木勇作役は主役を食い、サッカー人気を不動のものにしたとも言えるし、別のTVドラマ「君たちは魚だ」で見せた水泳選手の肉体でも、女性を魅了した。そして、何よりも10月から始まった特撮ヒーロー「アイアンキング」の主人公としても暴れまくった。ある時は学園の不良少年、またある時は水泳選手で自慢の肉体を魅せ、そして子供たちのヒーローを演じた上に、大人のバラード(当時は歌謡曲と言った)をせつせつと歌う男。1年のうちに、これだけの表情と表現力を見せたタレントがいただろうか? この年に活躍した人は多かったけれど、石橋正次には適わない。なぜなら、73年以降の彼の活躍をあまり知らない。72年の人。そのグランプリを私は授けたい。

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