
怪獣ブームとコメディ時代のまん中で誕生したのが、愉快なヒーロー。だから、怪獣ではなく、快獣ブースカなのだ。1966年放送開始というと、ウルトラQと同じ時期。ウルトラQに出てきたカネゴンとどこか似ているのは、同じ円谷英二監修によるからかもしれない。この頃から、怪獣は怖いだけではなく、子供たちの友達に進化しつつあった。ブースカやカネゴンだけではない。ガメラはもちろん、当時はゴジラだってシェーまでしたのだから、そうとうにC調だった。他にも、ヤダモン(永井豪)やグズラ(板井れんたろう)なんていう人間と仲良しの珍獣まで登場して、怪獣は女のコにも大人気の存在になっていったのだ。ブースカに話を戻そう。好物はラーメン、30杯はカルイ。カメが苦手で、決めゼリフは「シオシオのパー」。弟はチャメゴン。人間と共存し、すっかり親密になってしまったおかげで、ウルトラマンも怪獣をだんだん倒しにくくなっていったのではないだろうか、とあの頃を振り返る。だから、ウルトラセブンからは、敵を「宇宙人」や「宇宙怪獣」にしなければならなかったのでは・・。ガメラもきっとそうだった。そんな考察はさておき、怪獣が人間の仲間になったキッカケは、このブースカの可愛さだろう。もはや、原型がイグアナと知っている人は少ないかも。では、バラサ、バラサ。
