人間対怪獣。そのテーマが怖かった時代の映画。 | 宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

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70年代や、あの時代に輝いていたアレやコレや。
クリエイティブディレクターが語る、「思い出のエッセイ」です。

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前回に続き、梅雨だから映画の話。写真は、1965年公開の「フランケンシュタイン対バラゴン」。まだ怪獣映画が少し怖かった時代だ。地底怪獣と闘うのが、不死身の怪人(人間)という設定もなんだか怖いし、バラゴンが雑食で牛や馬、さらに人間さえ食ってしまうというどう猛さも恐ろしい。子供の頃は、狼に育てられた少年や山には雪男が本当にいると思っていたのだから、こういう映画にはドキドキした。特撮を手掛けた円谷英二の名は、翌66年から始まった「ウルトラQ」で知られ、その頃から怪獣はビルは壊しても人間を食ったりはしなくなった。私が最も不気味に感じたのは、この怪人がドイツの「フランケンシュタイン博士」の研究から生まれたというだけで、名前がなかった所だ。主人公に名前の無い映画。所詮は怪物でしかない主人公の、孤独が際立ち、それがこの映画の怖さを伝えているような気がした。その後の怪獣映画は子供向けの娯楽作品になってしまったけれど、まだまだテーマのあった怪獣映画。そう言えば、ゴジラもガメラも、初めて公開された時は相当に怖かった。
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