
スーちゃんの最期の言葉は、本当に心に響いた。「キャンディ」のようなアイドルだったその輝きは、心のキャンディBOXに閉まっておくことにしよう。華やかな3人の女性アイドルと言えば、70年代はこの3人娘から始まった。小柳ルミ子、天地真理、南沙織。スターではなく、アイドルと呼ばれた最初の女性歌手ではないだろうか。アイドルとは、もともとギリシア語の偶像という意味らしい。そういえば、当時はちょっと派手な衣装をまとい、崇拝される女神のような存在だった。いつの頃か、隣りのアイドルとか、近所にもいそうなアイドルが人気になってきたけれど、あの時代はまだまだ憧れの象徴だった。中でも、とりわけ天地真理はどこまでも偶像的だった所が、美しくもあり、儚くもあったのだ。写真のレコジャケは左から順に、72年の「瀬戸の花嫁」、73年の「恋する夏の日」、同じく73年の「早春の港」。♪好きとも言わないし、お互いに聞かない、いつかは私もあの人の、 いいふるさとになりたくて♪と歌いながら、南沙織は結婚し、真理ちゃんも引退して、神々しいアイドル時代は終わりを告げた。