過労死を生み続ける国ニッポン「時間外労働100時間超、119事業所」 | Blog de Unionism | にいがた青年ユニオンの労働問題相談所

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読売新聞神奈川地域2013年9月26日記事から引用。

 若者に過重労働を強いて使い捨てにする「ブラック企業」が社会問題化する中、対策を強化する動きが広がっている。国は9月を過重労働重点監督月間としており、神奈川労働局も離職率が極端に高く、サービス残業などが疑われる企業などの立ち入り調査を進めている。民間団体の活動も活発になっている。(加藤高明)

 同労働局が昨年度、過重労働などの疑いがある県内の568事業所を対象に実施した監督指導では、1か月あたりの時間外・休日労働時間が100時間を超えた事業所が119、80~100時間の事業所が182確認された。時間外労働の割増賃金が未払いの事業所も106あったという。

長時間労働は、過労死を生み出す。
しかも、純粋に経営的に考えても非効率的だ。

法律的には、残業時間の上限が規制されていない。

労基法では、こうなっている。

第三十二条  使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
○2  使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。

これが「1日8時間、週40時間の原則」だ。
しかし、これが36条で壊れる。

第三十六条  使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出た場合においては、第三十二条から第三十二条の五まで若しくは第四十条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この項において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。ただし、坑内労働その他厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務の労働時間の延長は、一日について二時間を超えてはならない。

労働者代表と協定を結んだ範囲で残業させることができるとする決まりだ。この決まりの残業時間に上限がないから、労働時間がものすごいことになってしまう。

過労死の悲劇を繰り返さないためには、労働時間の上限を法律で決めてしまうことがポイントだ。

たとえば、
(1)1日の残業時間は2時間まで。
(2)勤務と次の勤務の間は、11時間以上あける。
とする。

(1)はわかりやすい。これを1週間、1ヶ月、1年でそれぞれ上限を決めてしまう。

(2)は深夜まで残業させると、翌朝出勤できなくなるしくみだ。

残業は、私生活の時間を削ることになる。
人生を貧しくするのだから、とてもばかばかしいことだ。

残業をしないことを前提に考えることで、非効率的な仕事のやりかたを改めるきっかけともなるだろう。