Excelでセルに入力するデータを文字列として認識させたいとき、その先頭にアポストロフィ(シングルクォーテーション)「'」を入れます。
あるいは、そのセルの表示形式を予め「文字列」と設定しておき、その後データを入力すればやはり文字列として認識されます。
ところで、先頭にアポストロフィを付けたデータを検索してそれを削除したいとします。
アポストロフィを付けて入力したデータをいくつか含むシートにおいて、[Ctrl]+[H]キーを押して「検索と置換」ダイアログを出します。
「置換」タブにおいて「検索する文字列」に「'」を入力、「置換後の文字列」に何も入力せず「すべて置換」ボタンを押します。(下図)
すると、下図のエラーメッセージが現れ、検索できませんでした。
もちろん、「検索」タブで検索しても同様に検索できません。
データの先頭に付いているアポストロフィ「'」は、文字として扱うのではなく、このセルのデータは文字列として扱うという書式定義なのです。
それでは、このアポストロフィを削除したいときどのようにしましょう。
1つ 2つのセルなら手作業で編集すればよろしいでしょうが、いくつもある、またはどこのセルにアポストロフィが付いているか分からないときには、以下のいずれかのようにしましょう。
なお、例として A1セルに「'-1234」、A2セルに「'0025」、A3セルに「'ABCD」と入力しています。(下図)
(1) 書式のクリア
アポストロフィが書式であるということなので、単純に書式をクリアしてみます。
これらのセルを選択(全選択でもよい)し、[ホーム]-[編集]-[クリア]-[書式のクリア]をクリックします。
すると、それらのアポストロフィが削除されます。(下図)
最初の 2つのセルの左上には、まだ緑色の三角マークが付いており、文字列として保持されているという注記が表示ます。
(2) 空のセルの書式をコピー
まだ何も入力されていないセル、例えば C1セルを選択し、[ホーム]-[クリップボード]-[書式のコピー/貼り付け]ボタンをクリックします。
マウスポインターが白十字に刷毛の形状になったら、当該セル範囲をドラッグします。
これは (1)を別の方法でやったことになります。
(3) 形式を選択して貼り付け
まだ何も入力されていないセル、例えば C1セルを選択し [コピー]します。
そして、対象となるセルを選択し、[ホーム]-[クリップボード]-[貼り付け]-[形式を選択して貼り付け]をクリックします。
表れたダイアログの「演算」項で「加算」を選択し「OK」します。(下図)
これで、いずれもアポストロフィが削除され、最初の 2つのセルは数値化され、3つめのセルは文字列として保持されます。(下図)
なお、ダイアログの「演算」項で「減算」としてもよろしいです。
(4) SUBSTITUTE関数
データ内の文字列を置換する SUBSTITUTE関数を使います。
それぞれの隣のセルに次のような数式を入力します:
=SUBSTITUTE(A1,"'","")
SUBSTITUTE関数は、置換後の結果を文字列として返す関数です。
なので、B列に並ぶ各データは文字列となります。(下図)
もし、最初の 2つについて結果を数値化したいのなら
=VALUE(SUBSTITUTE(A1,"'",""))
などとします。
(3つめのセルについてこれを行うと「#VALUE!」エラーとなります。)