前回「Excel 表示形式で敬称や単位などを表示」記事でお話したことに関係する話題をお話します。

職場で Word文書や Excel文書を作成するとき、その殆どが前任者や先輩・同僚から引き継いだもの、あるいは職場で古くから使われてきたテンプレートのようなものをお使いではないでしょうか。
例えば、連絡書・議事録・納品書・請求書‥‥職種によって少し違うかもしれませんが、日付や氏名や関連する内容となるものを記載するだけで社内外で配布できる文書が出来てしまいます。
それで、とりあえず仕事は完成するので、Wordや Excelなどの基本操作を覚えなくても“自己流”の範疇でやれます。
私もそうでした。

確かに、雛形文書の空欄を埋めるだけでその仕事は片付きます。
文書管理規定で定められた期間だけ保存すればよいわけですが、職場や文書によってはそれ以上の期間も保管されるものもあります。
保管は何のためにするんでしょう。
まとめると、検索・調査と援用に集約されるように思われます。

つまり、次の世代の担当者らがそれらを参照して仕事に役立てるためです。

昔のように、紙の書類で保管していたときは、1枚 1枚めくって目で読んで調べていましたが、電子書類として保管するようになると“再利用”できることが大きな意味を持ちます。

再利用にもいろいろな態様があると思いますが、一例として“集計・集約”することを考えてみます。
蓄積された同種の文書からその内容を拾い出して集計・集約します。
Excel文書であれば、ブックを跨いで集計ということですし、Word文書なら、例えば会議の進捗推移などをまとめることもできます。

これらの作業をできれば簡単に行いたいなら、文書内の当該部分が同じ書式になっていることが大事です。
前回の「Excel 表示形式で敬称や単位などを表示」記事に例示したように、ある文書では「50 名」のように単位まで付記していると集計するにも余計な手間がかかり、しかも文書ごとに書式が違うとさらに手間がかかります。
Word文書でも、表形式で表わしたり箇条書きやタブ設定などで表わしたりと文書ごとに自由な書式で作成すると、それらを集約するにも一苦労します。

もっと身近な例をあげれば、作成した Word文書を上司にチェックしてもらったところ、その中の文章を訂正する指摘を受けたとしましょう。
文章を記載する枠内で、適当なところで改行しながら書いた方は、訂正とともに再度文書の“整形”を行っていませんか?
Wordの段落書式の操作を知っていれば、このような余計な手間は不要になります。

今回は字面だけの記事で、すぐにはご理解いただけない部分があると思いますが、表題の「少し先」は 1年以上先と捉えると今後の後輩のためと思われがちですね。
実は、明日とか来週の自分のためでもあるのです。
特に、新たに作成する文書であれば、その書式などに少しの時間だけ配慮すると、明日・来週の自分が快適に作業できることに気付きます。