Excelのセルには、数値で表現できるものは可能な限り数値のみを入力し、そのセルの表示書式を整えて見やすくするようにしてください。
過去の記事中でも例示してきましたが、この話題についてまとめておきます。
(1) xxx年、xxx月
年ごとの販売数、月ごとの受講者数などを表データでまとめるとき、下図の A列のように「2020年」、その下の図の「1月」などと入力していませんか?
絶対にダメとは言いませんが、このように入力すると
- 文字列として扱われる(左揃えになっている)
- 後のセル参照、集計処理やグラフ化処理などで追加操作が必要になることがある
‥‥などが起きます。
最初の例では A2セルに「2020」とだけ入力し、[Ctrl]+[1]キーを打って「セルの書式設定」ダイアログを出し、「表示形式」タブの「ユーザー定義」で「#"年"」とします。
そして、A6セルまでオートフィルして連番とします。
あるいは、A2セルに「2020/1/1」と入力し、その表示形式を「ユーザー定義」で「yyyy"年"」とします。
そして、A6セルまでオートフィルし、フィルオプション「連続データ(年単位)」を選択します。(下図)
また、表データの“タイトル”に「2020年 受講者数」などと記載して月ごとの数値を表記するときも、下図のように A1セルには「2020/1/1」と入力し、その表示形式を「ユーザー定義」で「yyyy"年 受講者数"」とします。
そして、A3セルは「=A1」として表示形式は「m"月"」、A4セル以下は「=DATE(YEAR(A3),MONTH(A3)+1,DAY(A3))」として表示形式は同じく「m"月"」とします。
なんだか面倒くさく、遠回りしている気もするでしょうが、このようにすることにより、後でタイトルを和暦で表記したい、月も「2020/1」と表記したいという変更にも容易に対応できます。
そして、7月以降のデータ追記や、2021年以降の表を作るときも A1セルだけを変更すればよくなります。
(2) xxx円、xxx名、xxx台
表データの数値の単位を補って見やすくする場合も同様に考えます。
例えば、上記の受講者数データで B3~D8セルに「50 名」と入力してしまうと、それらは文字列であると認識されてしまいます。
それらの合計を求めようとしてもできなくなります。
そこで、それらの表示形式を例えば「0_)"名"_)」とすると、セルの値は数値のまま単位を付けて表示できます。(下図)
セルの表示形式を先に設定しておき、後から数値のみ入力してもよろしいです。
(3) xxx様
名簿などで氏名の末尾に敬称「様」などを付記することがありますね。
このときも「~ 様」と入力せず、氏名データのみ入力し、その表示形式を例えば「@_)"様"」とします。(下図)
表示形式の「@」は、そのセルに入力された文字列そのものを表します。
この例では、直接に氏名を入力していますが、顧客名簿・会員名簿などでは氏名欄には「様」などは付けずに入力され、表示する名簿ではそれらを参照して表示することが多いですね。
そのときに書式を整えておくわけです。
会社名などの場合は「@_)"御中"」などとすればよろしいでしょう。
以上、ごく簡単な事例でしたが、このように敬称や単位を表わす文字を付記したいとき、表示形式を使って表示させる工夫をしてみてください。