前回の「Googleスプレッドシート セル参照」記事に関連して、セル、セル範囲に名前を付けて参照することがよく行われます。

例えば、下図の左側の表データを参照し、右側の J2セルにプルダウンリストで番号を選択すると、K2セルに対応する名前を表示するような仕掛けを作ってみます。

 

J2セルを選択し [挿入]-[プルダウン]をクリックすると、画面右側に「データの入力規則」ダイアログが現れます。
その「条件」項で「プルダウン(範囲内)」を選択し、その下のデータ範囲枠にカーソルを入れ、A2~A10セルを選択し「完了」ボタンを押します。(下図)

 

これで J2セルにプルダウンリストが設定されました。
そのプルダウンリストで、例えば「M001」を選択します。
続いて、K2セルに「=VLOOKUP(J2,A2:H10,2,FALSE)」と入力すると「吉永 はじめ」と表示されます。

これを「名前付け」をして行ってみます。
まず、A2~A10セルに名前を付けます。
A2~A10セルを選択し、シートの左上の名前ボックスに「番号リスト」と入力します。
名前ボックスは [Ctrl]+[J]キーでもアクセスできます。
続いて、J2セルを選択し [挿入]-[プルダウン]をクリック、右側に現れた「データの入力規則」ダイアログの「条件」項で「プルダウン(範囲内)」を選択、その下のデータ範囲枠に「番号リスト」と入力し「完了」ボタンを押します。(下図)

 

次に、A2~A10セルを選択し「会員データ」と名前付けします。
K2セルを選択し「=VLOOKUP(J2,会員データ,2,FALSE)」と入力します。
これで上記と同じ動作となります。

セル、セル範囲に分かりやすい名前を付けることにより、関連するセル参照がより分かりやすくなります。

ところで、名前付けされたセル、セル範囲はどこで確認できるでしょう。
[データ]-[名前付き範囲]をクリックすると、画面右側に「名前付き範囲」として、そのスプレッドシートの中で定義された名前と対象セル範囲がリスト表示されます。(下図)

 

あるいは、名前ボックスのプルダウンメニューにある「名前付き範囲を管理」を選択しても同じく「名前付き範囲」がリスト表示されます。

今回 定義した「番号リスト」「会員データ」もその中に表示されています。
その他に見えるリストは、このスプレッドシートの中で(他のシートも含めて)定義された名前付き範囲です。
各リストにマウスポインターを重ねるとその右側にペンアイコンが表示され、クリックするとその名前やセル範囲を編集したり、その名前付けを削除したりできます。

また、名前付け後に、名前を変更しても関連するセル参照を含む数式も変更されますし、セル範囲内に行や列を挿入・削除しても対応して変更されます。

なお、名前付けするとき以下の命名規則があります:

  • 文字、数字、アンダースコアのみ使用できます
  • 範囲名の先頭に数字、または「true」や「false」という単語を置くことはできません
  • スペース(空白)や句読点を含めることはできません
  • 長さは 1~250 文字でなければなりません
  • 「A1」または「R1C1」構文は使用できません。たとえば、範囲に「A1:B2」や「R1C1:R2C2」などの名前を付けると、エラーが発生する可能性があります


名前は、そのスプレッドシートの中で重複することはできません。

そして、数式などで指定するときその名前は「" "」で囲まずに直接に記述します。