先の「PowerPoint 図形の結合を利用して文字を装飾」記事では、PowerPointの「図形の結合」機能を利用して、文字の窓部分や一部に着色したり図を貼り付けたりできる例をご紹介しました。
実は、この「図形の結合」機能で動画を文字などに重ねて型抜きもできるのです。
裏技的なのですが、今回はその方法をご紹介します。

例として、下図のような文字をテキストボックスに書き入れ、この文字の黒い部分を動画で塗りつぶしてみたいと思います。

 

ちなみに、文字として太くしたかったので、「HGP創英角ポップ体」72 pt、ボールドを使用しました。

文字を写真で塗りつぶすなら、テキストボックスを選択し [図形の書式]-[ワードアートのスタイル]-[文字の塗りつぶし]-[図]をクリック、「図の挿入」ダイアログで写真ファイルを指定すればできます。
でも、残念ながら動画ファイルには対応しておらず、動画で塗りつぶすことができません。

そこで「図形の結合」機能を使ってみようという試みです。
「図形の結合」機能は 2以上の図形を選択すると有効になって、[図形の書式]-[図形の挿入]-[図形の結合]から選択して利用できますね。(下図)

 

ところが、上図のテキストボックスと動画コンテンツの両方を選択しても「図形の結合」機能ボタンが現れません。
ここで裏技登場です。
「図形の結合」ボタンをクイックアクセスツールバーに登録します。
クイックアクセスツールバーにあるプルダウンメニューから「その他のコマンド」をクリックして「PowerPointのオプション」画面を出します。
「コマンドの選択」で「[描画ツール]|[図形の書式]タブ」を選択し、「図形の結合」を選択して「追加」し「OK」を押します。(下図)

 

それでは、クイックアクセスツールバーに追加された「図形の結合」機能を使ってみます。
まず、テキストボックスをカバーするような大きさで動画コンテンツを挿入します。
今回は、[挿入]-[メディア]-[ビデオ]-[ストックビデオ]から適当な動画を挿入し、適当な大きさにしてテキストボックスに重ねます。(下図)

 

([ストックビデオ]メニューが見当たらなければ、ネット検索をして適当な動画を入手するか、ご自身で撮ったビデオを使います。)
なお、上図は説明上見やすくするため文字に黄色の着色をしましたが、黒色のままでも構いません。

このテキストボックスと動画コンテンツを両方選択し、クイックアクセスツールバーの [図形の結合]-[重なり抽出]をクリックすると、文字部分に動画が型抜きされて表示されます。(下図)

 

このとき、必ず動画コンテンツを先に選択し、続いて [Shift]キーを押しながらテキストボックスを選択してください。
逆順に選択すると単に文字部分だけが抽出されるだけになってしまいます。

出来上がったら「再生」ボタンを押して文字部分で動画が再生されることをご確認ください。

なお、上記はテキストボックスの文字で動画を型抜きしましたが、テキストボックスの代わりに図形であっても同様に型抜きできます。