Excelで作成した表データがある程度以上に大きくなってくると頻繁に使う「検索」機能および関連して「置換」機能があります。
検索機能については、「Excel 検索」記事で触れています。

今回は、表データについて検索しているときの“失敗”あるあるをご紹介します。

表データを含むシートを開き、[Ctrl]+[F]キーで「検索」、[Ctrl]+[H]キーで「置換」のダイアログが現れます。(下図)

 

上図は「検索」タブが表示されているところで、右下にある「オプション」ボタンを押して検索オプションも表示したものです。

(1) 2以上のセルが選択されていた

シート上の 2以上のセルが選択されていると、その選択範囲内だけを検索します。
シート全体を対象として検索するなら、いずれか 1つのセルだけを選択しておきます。

逆に、シート全体ではなく特定のセル範囲を検索対象にするなら、明示的にそのセル範囲を選択してから検索します。

(2) 似ている文字

「〇(漢数字)」と「○(記号)」は見分けつきませんが、Excelにとっては違う文字なので検索結果を鵜呑みしないようにします。
置換機能を使っていずれか一方に統一しておいたほうがよろしいでしょう。

同様に、似ている文字の例としては、「□(しかく)」と「口(くち)」、「㈱」と「(株)」、「Ⅱ(ローマ数字)」と「II(半角「I」2つ)」、「渡邊」と「渡邉」‥‥などなどたくさんあります。
文字コード表を眺めてみると、少々不安になります。

また、使用するフォントによっては、数字が全角文字か半角文字か判然としないものもあります。
予め「LEN」関数と「LENB」関数を使って調べ、統一しておくと良いでしょう。

(3) 検索対象が「数式」になっていた

上図のダイアログの検索オプションのうち「検索対象」は「数式」となっています。
これは、前回使われたものがそのまま適用されていますが、このほか「値」「メモ」「コメント」(バージョンによっては「値」「コメント」)が選択できます。
よく使うのは「数式」「値」でしょう。
文字通り、検索したい文字列が「数式」内の文字列なのか「値」として表示されている文字列なのかによりこのオプションを選択します。

(4) スペースや[Ctrl]+[J]などが検索欄に入っていた

「検索する文字列」欄にスペースや改行を示す[Ctrl]+[J]などが入っていても、見た目には気付かないことがあります。
この検索欄をクリアするには、検索欄にカーソルを入れ [Ctrl]+[A]キーを押してから [Delete]します。
([Backspace]キーと[Delete]キーを使ってすべて削除してもよいです。)

(5) データ中にスペースが入っている

氏名欄などで姓と名の間にスペースを入れることがあります。
これが、いつも同じルール、例えば半角スペース 1個というように統一されていればよいのですが、スペースが無かったり、全角スペースであったり、半角スペース 2個であったりすると、検索されるものも検索されなくなります。

同様に、電話番号で「-」の有無など形式が不統一であると検索してもヒットしないデータも出てきます。

(6) 大文字・小文字、半角・全角

上図のダイアログの検索オプションで、中央に表示されているオプションも、前回適用したまま適用されているので、これらを見過ごして検索してしまうことがあります。
英文字などで大文字・小文字を区別するのかしないのか、英数字などで半角・全角を区別するのかしないのかといった検索条件を確かめてみましょう。

(7) ユーザー定義で表示させた文字列

以前のバージョンのExcelでは、ユーザー定義の表示形式で表示している文字列は検索できませんでした。
例えば、「4/8」と入力した日付は「4月8日」と表示されますが、検索欄に「4月8日」と入力しても検索されません。

ただし、新しいバージョンのExcelでは、これも検索できます。

(8) フィルター機能で絞られている

フィルターをかけているときは、抽出されたデータは検索できますが、非表示とされたデータは検索対象外となり検索できません。

(9) 検索対象に「書式」も含めている

Excel 書式設定されているセルを探す」記事でお話したように「書式」でも検索できるようになっています。
これをセットしたままにして検索するミスはよく見られます。

書式の中で、見た目で分かりやすいのはフォントの書体・色・大きさ、セルの塗りつぶしの色などでしょう。
これらは他のセルとの違いも分かりやすいので気付くのですが、分かりづらいのはセルの罫線でしょう。

上記記事を参考に検索条件を見直してください。